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2014年09月11日
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カテゴリ: 漫画・アニメ





電子書籍無料版及びレンタルにて、既刊10巻中9巻まで読了。


子育て、家事、パートに追われ、体型は崩れ、常に髪を振り乱し、化粧や最低限の身だしなみも疎かにして、家族の為だけに生きる主婦…に突然降りかかる 「不倫」 の恋物語。

…とだけ言うと、多分、読む気にならない人が多いのではないかと思う。私も電子書籍の1巻無料が無ければ興味を持てなかっただろうが、読み始めたら、巷によくある 「不倫もの」 とはちょっと違い、意外と切ない純愛ストーリーだ。


ヒロイン・夏は、思春期の娘からは 「女を捨てていて、(友達の手前) 恥ずかしい」 と本気でなじられ、見た目冴えない夫からも、女として見られないどころか、半ば呆れられている。


いくら忙しいからと言って女を捨てるなんて、単なる怠け者だ…と考える人も多いだろうが、このヒロインの場合、本当に家族のことしか頭にないらしい。1日24時間365日、夫や子供の世話を焼く為に常に 「臨戦態勢」 で、要領は良くないが、料理などに手抜きはしない。

よくある不倫ドラマだと、小ぎれいな妻が、夫への様々な不満を言い訳に、なんだかんだ言って間男の誘いに簡単に乗り、そのうち少し熱が冷めて面倒くさくなってくると、都合よく子供のことを思い出したりする。一時でも子供のことを忘れられて、男と会う時間を捻出できる余裕のあるところが、そもそも、このヒロインとは違うのだ。


ヒロインの余りの 「女の捨てっぷり」 に呆れた夫が、同じ社宅に入居することになったイケメンの独身部下に、「妻をちょっと誘惑してくれ」 と頼む。勿論、夫は、モテ男が自分の 「みっともない妻」 なんかを本気で相手するわけないし、イケメンが近所に住めば、少しは妻も身だしなみを気にするようになるだろう…位の軽い気持ちで言うのだ。

それが、夫 (読者) からすると、予想外の方向に展開していくことになる。


まあ、いくら漫画と言っても、展開が 「漫画的過ぎる」 ところに、イマイチ共感しきれないところもあるが、この夫が余りにも典型的な情けない夫 (真面目で無害だが、妻へのサービス精神皆無) なので、つい、ヒロインを応援したくなる。


不倫ってのは、なんだかんだ言って結局、 「カラダの関係」 に終始することが多い。どちらかが結婚していれば、人目を避けてホテルへ…ということになってしまう。

その辺が不倫ものの難しいところ。 恋愛の機微云々よりも、エロとか、家族にバレないかのサスペンス描写に傾きがちで、どうしても話が画一的になる。

だが、この作品の場合、設定や絵柄は 「くたびれた中年」に他ならないが、展開は案外、少女漫画的だ。


家族にあれだけ尽くしながら、夫や娘からは、感謝されるどころかバカにされているヒロインを見ると、多くの読者が同情はするだろう (私も思春期に、実母のことを恥ずかしく思うことは多々あったが、この作品の娘のように、面と向かって本人に言うことは、可哀そうでとても出来なかった) が、かと言って、イケメンからの誘惑に簡単に堕ちて、家族のことを疎かにしだしたら、それはそれで冷めてしまうだろう (太ったお母さんのベッドシーンも、殆どの人は見たくないはず)。


不倫物語においての 「ハッピーエンド」 とは、よっぽど夫が横暴で離婚するのが正解…という場合くらいで、そうでなければ、不倫相手と結ばれても、夫とヨリを戻しても、どちらにしろ誰かが傷つく過程に、モヤモヤとした読後感が残ることが多い。


ヒロインに感情移入すればするほど、 「恋愛成就させてあげたい」 と思う反面、性愛に溺れる姿や、 (夫はともかく) 子供を捨てる姿は見たくないというジレンマ…。

そういう意味で、この作品は、読んでる間は先が気になるが、どのような結末を迎えても、ガッカリしそうな予感でいっぱいだ。



<関連日記>
2014.8.19. 実写ドラマよりも漫画の方がリアル ・・・ 柴門ふみ 『 同窓生 ~人は、三度、恋をする~ 』











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最終更新日  2016年10月10日 23時31分45秒
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