●急速充電・大容量給電が出来る:USB PD(USB Power Delivery)で実現された機能ですが、過去 には「QC急速充電」という規格も有りPDとQCに互換性は無いので注意が必要です。PDの 規格は複雑で、実現するためには最低でもケーブルと充電器が USB PD に対応する必要があり、 ケーブルは3A対応と5A対応のどちらかを使用しなければならず、電源に至っては列記不能な ほどの種類が有るので必要に応じて各自で確認するしかありません。実は lightning も USB PD に対応していて、すでに iPhone 8 から USB-C ⇔ lightning ケーブルと PD 対応充電器で急速 充電が可能なので、最新の iPhone 16 でも充電速度は変わっていないのです。この規格で最大 の恩恵を受けているのはノートPCメーカーとUSB電源を作っているメーカーだと思います。 なおQC急速充電は USB-A もありますが USB PD は USB-C 専用規格です。
*今まで iPhone で急速充電が話題に上らなかったのは、当時は USB PD が一般的では無かった 事と同梱ケーブルとACアダプターが USB PD 対応ではなかった事。何よりも Apple 自身が バッテリーを傷める急速充電を積極的に宣伝しなかったからだと思います。
*また Apple Watch も同様に USB-C コネクタを持つ充電ケーブルと Series 7 以降と Ultra で 急速充電に対応しています。Series 6 以前の機種と、全てのSEは未対応です。
●データ転送速度が速い: USB 2.0 は480Mbpsで USB 3.0 と USB 3.1 Gen 1 と USB 3.2 Gen 1 は5Gbps(5,000bps) と格段の進化を遂げています。(発売時期によるが USB 3.0 と呼ばれる事が多いです) 更に USB 3.1 Gen 2 と USB 3.2 Gen 2は10Gbps の速度(一般的には USB 3.1 と呼ばれる事 が多いです)を実現し、USB 3.2 Gen 2x2 では 20Gbps の超高速となりますが、実装している 機器は少ないです。そして、コネクタ形状とは全く関係ないので USB-C でも USB 2.0 の製品は 沢山(特にケーブル)あります。(最新の iPhone 16 も転送速度は USB 2.0 です) USB 3.0 以上の転送速度が必要なら、必ず対応したケーブルを用意しましょう。 参考までに USB Micro-B でも USB 3.0 に対応したケーブルとコネクタ形状があり、Panasonic の DC-G9 が該当します。 現在の最新規格は USB4 ですが、気にする必要はないでしょう。 また lightning も実は USB 3.0 に対応していて Lightning to USB 3 Camera Adapter と iPad や iPad Pro と接続する事で USB 3.0 の転送速度を実現済です。
上記の中で USB PD は USB-C 専用の規格ですがACアダプターが USB PD に対応していても、 ケーブルが 3A か 5A の USB PD 対応ケーブルを使用しなくては意味がありません。専用ケーブル を使わなかった場合は 5V 3A が上限の従来通りの充電となります。
参考までに USB-C ⇔ lightning ケーブルはサードパーティ性も含め、全て USB PD に対応して いるのでケーブル選びで悩む必要はありません。
EU連合により Apple の lightning は強制的に撤廃されましたが USB-A が姿を消すのは性能的に 時間の問題かもしれません。
注意しなければならないのはUSBとはコネクタ形状と USB PD や転送速度の規格がバラバラだと 言う事を理解しておかなければならないと言う事です。
転送速度については動画を扱うのであれば USB 3.0 が必須だと個人的には思いますが、静止画で あれば USB 2.0 でも Wi-Fi や Bluetooth の無線転送でも問題ないと思います。また主にPCに 搭載される USB-A の場合は「青い」のが USB 3.0 以上に対応したポートになりますので、ここに キーボードやマウス等の転送速度が意味を持たない機器を接続しないようにしましょう。
此処でも注意するべきはコネクタ形状が USB-C でも転送速度が USB 2.0 の機器やケーブルが市場 に山ほどあると言う事です。特に USB-C ケーブルを買う時には注意しましょう。充電・給電に使う なら「急速充電5.0A対応」等の文言を、データ転送に使うなら「USB 3.2 Gen 2 対応」等の文言を しっかりと確認しましょう。
ただし5年くらい前の機器ならコネクタ形状の違いだけで性能は USB PD 未対応で転送速度も 2.0 の場合がほとんどですので、何も気にする必要はありませんけどね。その頃の機器だと急速充電は USB PD 以外の規格である事が多いですから、使っている機器の仕様をしっかり確認して下さい。