60ばーばの手習い帳

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July 3, 2023
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カテゴリ: 読みたい本


​​ 山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。 ​​

夏目漱石の『草枕』の冒頭部分で、広く知られた名文です。

​​ ​​理知的であろうとすると、人間関係がぎすぎすしてしまいます。理屈だけでは暮らせません。かといって、情にほだされすぎると他人の思うままになってしまい、自分の考えを押し通そうとすると、周りから反発されて暮らしにくくなります。
​​​

 人間関係の難しさを突いた漱石の言葉は、ことわざのように使われます。



 『草枕』はこの後、「人の世」が暮らしにくければ「人でなしの世」ならどうか、いやいやだめだろう…と、話が進みます。

 主人公は、暮らしにくい世の、暮らしにくさを束の間でも除いてくれるのが芸術だということに思い至ります。それも人情から離れられない芝居、理非を脱しない小説ではなく、そこから解脱した東洋の詩の境地「非人情」こそ求める世界だと。

 旅先の出来事を能に、出会う人たちを能の役者のように見立ててみようと思いつきますが、そうこうしているうちに大粒の雨が降ってきて、


​茫々たる薄墨色の世界を、幾条の銀箭が斜めに走るなかを、ひたぶる濡れて行くわれ ​​

と画(え)の中にわれを調和させてみますが、足が疲れたと気にかける瞬間、現実の小人物にもどってしまうのでした。

 主人公は馬子に茶屋を教えてもらい、濡れた体を乾かし休めて、宿へ向かいます。

 『草枕』一章は、那古井温泉を舞台に書かれる「非人情」の世界の序章で、漱石の「非人情」の考えが提示される部分です。難解な用語が多いのですが、漱石らしい自虐も含んだユーモアが感じられ、面白い文です。


      参照元:岩男忠幸『日本のことわざを心に刻む』東邦出版
      引用および参照元:『夏目漱石全集3』ちくま文庫 から『草枕』





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Last updated  July 3, 2023 12:00:29 AM
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