バツイチ独り身で両親も去り、身軽さと寂しさの狭間。世の中随分と変わっちまった…

バツイチ独り身で両親も去り、身軽さと寂しさの狭間。世の中随分と変わっちまった…

2010.01.24
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カテゴリ: マスコミ掲載
朝日新聞 朝刊・国際面 風 10年1月24日

 多くの出会いを胸に詰め込んで、埼玉県川口市の高校生3人が先日、カナダから帰ってきた。冬休みを利用した18日間のホームステイ。現地の高校生とも交流した。「日本に行きたくなった、と言ってくれたのがとてもうれしかった」とKさん(16)
 高校で所属する英会話同好会が都内のカナダ大使館を訪れたのは昨年7月。同大使館は昨年、学校向けの見学ツアーを始めた。「みなさんは納豆好きですか。原料の大豆の多くがカナダから来るんですよ。」館員の説明にみな目を輝かせた。秋の文化祭ではカナダの発表展示。トントン拍子にカナダ行きが決まった。
 こんなふうに元気よく日本を飛び出す若者が、実はみるみる減っている。旅行大手JTBの調査では、海外旅行に出た若者(15~29歳)はこの10年で34%減少。米国留学は1997年の4万7千人をピークに減り始め、昨年3万人を割った。貧乏旅行の代名詞だったバックパッカーすら、あまりはやらないとか。
 安全な日本から出なくたってネットで世界の情報が手に入る。厳しい就職戦線で旅する時間がない。低賃金の非正規雇用が増えて海外旅行どころじゃない―。そんな解説や悲鳴に加え、若い世代の「内向き化」もよく聞く。日米中韓の中高生が対象の意識調査(2008年)で、海外留学希望者は日本が最低だった。
 国境を越えた「人流」が地域統合を後押しした欧州のように、価値観の違いを知ることが平和への一里塚。だから日本駐在の外交官は「相互理解の礎になるはずの人材が細る」のを真顔で心配する。
 「最近の若者は」とため息をつく前に、未知の世界への自然な欲求を私たちが押さえつけていないか自問してみる。
例えば昨年の新型インフルエンザの流行初期、海外渡航自粛が日本で広がり、旅先で感染した人が非難される騒ぎも起きた。それは04年、イラクで人質となった日本人への「自己責任バッシング」を思わせた。当時、日本を知る英国人は「日本では『世間に迷惑を掛けること』」がご法度なんだよ」と納得していた。
 ベネッセ教育研究開発センターが06年に発表した、日中韓と台湾の5都市の親に「子供への期待」を尋ねた調査で、「迷惑をかけない人」は71%の日本が群を抜いて最多だった半面、「社会に尽くす人」は最下位。「好かれる人に」と願う親心に偽りはあるまいが、「人生の安全運転」への過剰の期待が冒険心にブレーキをかけていないか。
 「自分でつかんだチャンスでしょ」。母親にそう背中を押されたKさん。「次はオーストラリアに」と、新たな冒険に夢を膨らませている。(東京 沢村亙)





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Last updated  2010.01.28 20:48:36
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