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2006.06.14
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カテゴリ: 小説
港町の美しい桜も散って、代わりに紫陽花(アジサイ)の花が咲き乱れ、
雨の時期へと移り変わろうとしている。
沖田紅葉たち、港高校の一年生も少しずつ高校生活になれて来つつある。


「なぁ、紅葉!ちょっと図書室までついてきてくれ。」

紅葉のクラスメイト、武田慎司の声が放課後の教室に響いた。

「あぁ、いいよ。」

紅葉は快く引き受け、二人は放課後の図書室へと足を運んだ。

「こんな放課後に、図書室まで何しに行くんだ?」

「こないだ本をかりたんだ。そんで、今日が期限なのすっかり忘れててさ。」

「あ、なるほどね。」

二人が図書室へ着くと、静まりかえった室内に一人だけ、女子生徒が座っていた。

「あれ?鈴原さん。どうしてこんな所に?」

「あぁ沖田くん。私、図書委員なの。それより、沖田くんこそどうしたの?部活は?」

「今日は慎司に付き合って来たんだ。」

二人がそんな会話をしていると慎司が、綾乃のもとへやって来た。

「この本、今日が期限なんだけど…。セーフだよな?」

「あっ、はいはい。大丈夫よ。じゃあ貸し出しカードを…。」

「綾乃~!」

静かな図書室の静寂を破るように、笹野杏の声が聞こえた。

「あっ!やっぱりここにいたのね。小林先生が呼んでるわよ。」

「うん。わかったわ。今すぐ行くから…。」

「おい!みんな。ちょっと見てくれ。」

突然、本棚の本を見ていた慎司が3人を呼んだ。
その声を聞いて、3人が駆け寄る。

「なんだよ。大声出して…」

「そうよ、慎司くん。ねぇ綾乃。」

「うん。」

「いや。ほら、ここの本棚の間。ドアがあるだろ?」

「え?」

3人が声をそろえて、覗き込む。

「ほんとだ。なんだ?これ。」

「でも、これってドアよね?」

紅葉と杏がうなずき合う。

「ちょっと、見てみようぜ。」

慎司は言うとほぼ同時に、本棚を動かし出した。

「でも…、そんなことして良いのかなぁ…?」

「鈴原は気にしすぎなんだよ。ほら、紅葉も手伝えって!」

そういって、本棚を二人で除けると、そこには確かに古びた扉があった。

「あっ、やっぱりドアだ。ねぇ慎司くん、開けてみてよ。」

杏に指示され、少し不満げな顔をした慎司だが、扉を開けた。

すると中には、巨大な本棚と古びた本に埋め尽くされた書庫だった。

「大きい…。」

杏と綾乃は口をそろえて言ったが、紅葉と慎司は中へと入っていく。
そして、唯一その室内にあるほこりのかかった机の上にある分厚い本を見つけた。

「なんだ?これ。なぁ紅葉、なんだと思う?」

「さぁな。辞書か何かじゃないか?」

紅葉はそういって、ページを開けた。

すると、そこには『次元の扉 開かれし扉 今ここに開かれし扉  四人の賢者を導かん』と、書いてあるだけだった。

「なんだ?扉って??」

慎司が杏たちの方を振り返った瞬間、本を中心に光と風が起こった。
そして、それとともに書庫の扉が閉まった。

「!」

4人は、今起きている事態に声が出なかった。

次の瞬間には室内に光で満ちていた。

光が正常に戻り、風がやんだ時、4人の姿は見えなくなっていた。


~第二幕へ続く…~

by凪





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Last updated  2006.06.14 20:57:17
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