ホシミスト3013の天体撮影記

ホシミスト3013の天体撮影記

2016年04月04日
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カテゴリ: 星雲

 (まとめ)
 東側の星を追尾し、北側にずれてゆく時は、極軸を下げる
 東側の星を追尾し、南側にずれてゆく時は、極軸を上げる

 南側の星(天の赤道付近が一番わかりやすい)を追尾し、
  北側にずれてゆく時は、極軸を東へ
  南側にずれてゆく時は、極軸を西へずらす


 (^^ゞ

 どうしても忘れてしまうので、先に書いておきます。

 (本文)

 2016年03月12日未明、木星を撮影していたのですが、
 この日は視野の中で、木星が左右に多少揺らぐものの、
 上下にはほとんどずれませんでした。

 奇跡の極軸セッティングだぁ!

 EM100の極軸望遠鏡には、メモリ環こそあれ、
 最近の赤道儀のように、日付と経度から北極星を導入するパターン
 などは付いておりません。
 なので、いつも、こぐま座のα星のある方向のメモリ環の中に
 北極星を導入する、という、何とも雑な極軸合わせを行っております。

 その雑な方法で、たまたまこの日はぴったり極軸が合ってしまったのでしょうね。

 こんな日はもったいないので、
 木星以外にも何か撮影しておこう・・・

 ふと見上げると東からこと座が昇ってきていましたので
 それでは!とM57を、シュミカセで、ノータッチガイドで、撮影してみました。

2016.03・12 リング状星雲M57 (IMG_0116)
2016.03・12 リング状星雲M57 (IMG_0116) posted by (C)ホシミスト_3013
Celestron Edge HD800(D203f1422RD)
Canon EOS Kiss X4(Ir) ISO1600 30秒×133Fr(総露出66.5分)
タカハシEM100ノータッチ
2016.03/11 自宅庭より
DSS(L133D36F0DF0B80) 3xDrizzle KappaSigmaClipping Sat14%
Adobe PS CS2


 極軸が合っていると、焦点距離1400mm、露出30秒、でも、
 点像に写るものです。

 400mmのオートガイドでは、多少極軸がずれていて、ちょこまか修正がかかっても
 あまりぶれている印象はありませんが、
 800mmになると、修正操作そのもののせいで星がぶれている、ということが良くありますので
 修正があまりかからないようにした方がいいわけですよね・・・

 とはいえ、赤経方向は常にモーターが回っているので、
 モーターの回転精度や、ギアの歯車のちょっとした噛み合わせや偏心で
 実際の星の動きよりも望遠鏡の動きの方が、微妙に早くなったり遅くなったり。

 これを ピリオディックエラー(ピリオディックモーション) といいますが、
 これだけは機械的にどうしても0にできないので、
 修正をするしかないわけです。

 とはいえ、その動きに直交する方向の動きは、極軸をきちんと合わせたら
 ほぼ0にできますので、
 そうすれば、赤緯モーターによる修正はしなくてもよくなります。

 特に最近のデジカメは、1枚の露出時間は長くても2~3分で
 あとは多数枚撮影して、画像処理ソフトで統計処理する、
 という撮影ができますから、
 要は2~3分、南北方向にずれなければよいわけです。

 そこで、極軸合わせをもっと追い込もう!と言うことになります。

 奇跡の極軸!と喜んでないで、いつもそういうふうに合わせるようにしろよ!
 と言うわけです。

 そこで登場するのが ドリフト法 、です。

 やり方は知っていて、以前北極星が見えない2階ベランダからの撮影で
 やってみたことはあるのですが
 冒頭の追尾している星のずれる方向と修正する方向を覚えられなくて、
 あまり使っていなかったのが現状です。

 覚えていればいいのでしょうけど、
 わたくし、本当にバカ、でして、
 どうしてそうなるのかがわからないと、頭に入らないんですよね(^^ゞ

 で、なぜその向きにずれて行くのか、を考えて見たわけです。

 ずれる方向を上下で考えるときに、カメラの向きをきちんと合わせないといけないので
まず、望遠鏡を真南に向けて、その時のカメラの向きが
地平線方向が下、天頂方向が上、西が右、東が左、

 になるように合わせていることが前提です。



 まず、 南や、天の赤道付近の南の星を追尾 してみますが
 もし、極軸が東にずれていれば、実際の星は青い矢印の方向に動きますが
 望遠鏡は黄色い矢印の方向に追尾しようとするので、
 視野の中で追尾対象の星は赤い矢印の方向に動きます。
 つまり、極軸が東にずれていれば、星は上にずれてゆくので
 極軸を西にずらす、と言うことになります。

スライド1
スライド1 posted by (C)ホシミスト_3013


 冒頭の

 南側の星(天の赤道付近が一番わかりやすい)を追尾し、
  北側にずれてゆく時は、極軸を東へ
  南側にずれてゆく時は、極軸を西へずらす

 天の赤道付近は、天頂よりやや南側になりますので、
南側を向いたイメージ で考えると、
 北極に対して東に軸がずれている、と言うことは、南極に対しては西に軸がずれているので
 下の様な図になり、つまり、ずれて行く方向は同じ、です。

スライド2
スライド2 posted by (C)ホシミスト_3013




 次に 東や北東の星を追尾 してみますが、
 もし、極軸が上にずれていれば、実際の星は青い矢印の方向に動きますが
 望遠鏡は黄色い矢印の方向に追尾しようとするので、
 視野の中で追尾対象の星は赤い矢印の方向に動きます。

スライド3
スライド3 posted by (C)ホシミスト_3013

 つまり、極軸が上にずれていれば、星は上にずれてゆくので
 極軸を下に下げる、と言うことになります。

 冒頭の

 東側の星を追尾し、北側にずれてゆく時は、極軸を下げる
 東側の星を追尾し、南側にずれてゆく時は、極軸を上げる



 さて、ドリフト法は、実際に撮影する方法が、
 撮影開始して何秒そのままで、何秒東に動かして、何秒西に動かして
 と難しいことが書いてありますが、

 要は撮り始めに動かさないことによって、星像を肥大させ、撮影開始点が分かるようにする
 と言うことです。
 望遠鏡が行って戻ってくるのに、どちらが撮り始めかわからないと、
 上にずれたか下にずれたかわかりませんからね(^^ゞ

スライド4
スライド4 posted by (C)ホシミスト_3013

 撮影時間は、実際に露出をしようと思う時間です。
 要は1枚の撮影中に上下にずれないこと、が、第一の目標ですから。

 焦点距離は、私の場合、撮影しようと思う焦点距離の2倍(エクステンダーを使って)
 で行っています。 その方が実際の撮影焦点で行うより2倍の精度になりますから。

 ちなみに、まず最初に、赤道儀を平行な場所に置く、と
 どの本(サイト)にも書いてありますが
 それは、この上下左右の微調整が、
 赤道儀が平行においていないと、ずれてしまうから、なんですね。






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最終更新日  2016年04月06日 02時24分35秒
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15年ぶりに趣味の世界に帰ってまいりました。はたして天体写真の腕が上達するのか?その足跡を残しておきたいと思ってはじめたブログです。
最近は、DeepSkyStackerというフリーソフトを使えるようになり、画像が格段によくなってきましたが、その分庭からでなくなってしまいました。暗いとはいえ住宅地からどれくらい星が写せるのか、も見ていただけたら、と思います。
なお、梅雨など、星が写せないときには遠景や花など、節操無くアップしますのでご容赦を。
(^^ゞ

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