2013年09月17日
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カテゴリ: 英語本


ジャッカルの日  フレデリック・フォーサイス

私の「ミステリーの古典を読もう」という目的の本です。
1971年のフレデリック・フォーサイスのデビュー作。

実際に起きた、1962年のフランス・ドゴール大統領暗殺未遂事件後の話です。

ドゴール大統領を暗殺しようと、OASというテロ組織が動きます。
それまで何度も暗殺を試みましたが、OASの内部に政府のスパイが入り込んでいて
暗殺計画が筒抜け。これでは成功しないというので、新たな指導者が
外国の暗殺者を雇って、大統領を殺してしまおう、と計画します。

選ばれたのはイギリス人の「ジャッカル」。
ジャッカルは徹底的なリサーチを開始。
そして用意周到に暗殺計画を練っていきます。
パスポートを盗み、銃を用意し、場所も下見。

一方フランス政府も暗殺計画を察知しますが、
何せ分かっているのが「ジャッカル」というコードネームと
「ブロンドで180cmくらいの白人」ということだけ。

フランス国内にブロンドの白人の外国人が何人いるのか?
雲を掴むような話です。
そこでフランス警察の最優秀刑事クロード・ルベルが
ジャッカルの捜索に当たることに。

警察の捜査の手を見事にすり抜けていくジャッカル、
全く手がかりなしの状態から、ジャッカルを追い詰めていくルベル刑事。

そしてついにドゴール暗殺の日が来た!

という話です。

前半は説明が多く、じっくり書いてあるせいもあり少々動きがのろい。
しかし、ジャッカルが動き出す後半はハラハラドキドキの展開。
ものすごい緊張感の連続。ページターナーです。

完璧な計画を練っている上に、臨機応変に対応するジャッカルにも感心しますし、
「無」の状態から、じわじわとジャッカルを探り当てていくルベル刑事が凄いです。

ジャッカルの非情さにも寒気を覚えながら、あまりの見事な計画実行度に
思わず応援してしまいました。
警察と暗殺者を同時に応援しながら読んでいまうという妙な展開に。

全くもって傑作サスペンスですが、さすがに今読むと古さを感じてしまいました。
もちろん携帯電話が無いし、記録が全て紙なので、検索、抽出がすべて手作業。
今のようにコンピューターで一発、と言うわけにはいかず、
捜査員は徹夜徹夜の体力勝負です。
タバコは全員吸っているし、証拠品も残しまくりで時代を感じました。

あと、1960年頃のフランスの歴史に詳しくないと、前半がサッパリ分かりません。
私は全く知らないので、非常に苦戦しました。

アルジェリアの独立問題が根底にあり、フランスの政府機関が沢山出てくるし、
登場人物も多くて混乱します。そのへんはかなり大変でした。

でも本当にドキドキ感が連続して、超弩級に面白かったです。
まるでドキュメンタリーを読んでいるかのような小説でした。

<英語の話>

単語は難しいです。
英米の作家のデビュー作は単語が小難しい、という大原則がありますが、
この本もご多分に漏れずに小難しかったです・・・。

単語力がある人は大丈夫でしょうが、
私のようにTOEIC600点クラスだとかなり厳しいです。
読み飛ばしの技術が無いと読めないと思われます。

ただでさえ単語が難しい上に、フランス語が随所に入ってきて
不明単語がますます増えるという厳しい展開(笑)

ネイティブ並の単語力が無いと、本当には楽しめないかもしれないですね。





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最終更新日  2013年09月17日 22時55分54秒
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