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2024年06月20日
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カテゴリ: 読んだ本


世の中がいやになってしまってどこかに行ってしまいたい時でも、きれいな紙とよい筆とがあれば、本当に慰めになって「まあ、いいわ、もう少し生きていたい」と思うのよ…というのは昔清少納言が中宮の前で雑談の折にいった言葉である。今は良い時代で、WEBなんていう便利なものがあるので、いつでもいろいろなことを書くことができるのだが、紙が貴重品だった時代はそうはいかなかった。書くことが好きな人が紙と筆を手に入れた喜び…というのは今日では想像しにくい。しかし、思ったこと、考えたことをまとめてみたいというのは人間の根源的な欲求の一つなので、だからこそ、口承というものがあり、日本の場合には人々が口遊みやすくした短詩形式が発展した。文字ができてからは、その思いや考えを書き残したくなる。
枕草子を読んでいると、作者がとにかく書きたいことを書いているという感じがするし、今だったらさしずめブログに書くような内容もある。こういう人って本当にいやよね、とかこういうのってわくわくするわよね、とかそんな文章である。枕草子には中宮定子が紙を送って来たという段があり、おそらくその時期に執筆が始まったのではないかと言われている。道隆が死去して長徳の変で伊周、隆家が失脚して関白家の家運が急速に傾いた時期である。この頃、清少納言はしばらく宿下がりをしていて、中宮が再度の出仕を促していた。宿下がりの背景は書かれていないのだが、政変の関係でどさくさがあった時期であり、いろいろな誤解もあったのかもしれない。
明るく華やかな宮中絵巻のような枕草子だが、実際には、定子の属する関白家が急速に衰退していく中で、書くことで自らを慰め、また、それを周辺の人々も読むことで慰められて行ったのではないか。こういうのはいいわよね、とかいやよねとか言った軽い段もあれば、関白家が栄えていた時代の楽しい想い出を書いた段もある。また、今の暮らしの中でも面白いことや楽しいことを見つけて書いた段もある。
実際には家運傾く中で、背いていく人や辛いこともあったのだが、そうしたことは書いていない。あえて書かなかったのだろう。ただ、一か所、定子の乳母が離れていくくだりがあり、こんな素晴らしい中宮様を離れるなんてどうしてできるのだろうか…と作者の筆致はここばかりは非難がましい。





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最終更新日  2024年06月20日 17時30分07秒
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Re:「枕草子」を読んで~ものを書く幸せと慰め(06/20)  
・曙光 さん
>世の中がいやになってしまってどこかに行ってしまいたい時でも、きれいな紙とよい筆とがあれば、本当に慰めになって「まあ、いいわ、もう少し生きていたい」と思うのよ…というのは昔清少納言が中宮の前で雑談の折にいった言葉である。

パソコンもスマホもなく、紙も筆記具もなければ、現代人は完全にお手上げで、人生ギブアップになりかねないでしょう。
清少納言の「世の中がいやになってしまってどこかに行ってしまいたい時でも、きれいな紙とよい筆とがあれば、本当に慰めになって「まあ、いいわ、もう少し生きていたい」と思うのよ」は紫式部も共通であり、現代人も形は違えど実態ほゞ同様でしょう。

パソコン、スマホ以前は活字中毒という言葉があったが、文明人は書いたもの、或は書くツールを奪われたら、見えない、聞こえない、喋れないに匹敵する不自由さ、不都合となるは必定でしょう。
(2024年06月21日 00時20分56秒)

平安のインフルエンサー  
鳩ポッポ9098 さん
>枕草子を読んでいると、作者がとにかく書きたいことを書いているという感じがするし、今だったらさしずめブログに書くような内容もある。こういう人って本当にいやよね、とかこういうのってわくわくするわよね、とかそんな文章である。

そうです。ボクが清少納言を平安のインフルエンサーと表現するのもまさにそういう所ですよ。思った事、感じた事を感受性豊かに表現する、そこに嘘がないからとても読み易く、スッと心に入ってくるわけです。多くの平安人が心打たれたのもそういった飾り気のなさ故であり、感受性と率直さは、随筆に絶対に必要な要素ですよ。

比較してはなんだが、紫式部は逆に全てが計算ずくの人であるから、プロットや構成、人物の細かい設定を自分の頭で組み立てられる人である。言い換えれば空想の中で設定を綿密に錬成することができる人である。故に、感受性豊かで思った事は表現しないと気が済まない清少納言と性格が合わないのは、傍目から見ても明らかですよね。 (2024年06月21日 01時01分38秒)

Re[1]:「枕草子」を読んで~ものを書く幸せと慰め(06/20)  
七詩  さん
・曙光さんへ
そして清少納言はこんなことも書いています。よくできたと思った歌もだれも話題にしてくれなければつまらないわね…と。名歌は文字になる前に、評判になり人から人へと口伝えでつたわったのかもしれません。
同様に書いたものも人に読んでもらえなければつまらない。
ネットは誰でも書く機会を持ったというだけでなく、書いたものを読まれる機会も提供したということですごいことだと思います。
(2024年06月21日 07時47分44秒)

Re:平安のインフルエンサー(06/20)  
七詩  さん
鳩ポッポ9098さんへ
枕草子が読み継がれてきた背景には作者の清少納言とよばれた女性に読者が好感をいだいたということもあると思いますよ。紫式部と清少納言は会ったことはないというのが通説のようですが、都の貴族社会は意外と狭く、まあ、清少納言は特に外出好きだったのかもしれませんが、物詣だの読経だのとけっこう外出しえいる。案外とどこかで会っていて面識もあったのかもしれません。
紫式部日記の悪口は面識もない人にそこまで書くかと言う気もしますし、紫式部日記で「恥をみせつ」と意地悪を書かれている「こまのおもと」が清少納言の娘のこまの命婦だとしたら、母の憎さを娘にも…と粘着質におどろきます。 (2024年06月21日 08時41分08秒)

Re:「枕草子」を読んで~ものを書く幸せと慰め(06/20)  
・曙光 さん
>母の憎さを娘にも…と粘着質におどろきます。

七詩さんお得意のアイロニーであり、反語でしょう。
人は誰しも粘着質です。誰しも自分だけの気が済むまで徹底的に執着します。それが人間です。この程度の事で驚いては社会でやっていけません。
そして拘り過ぎた事も、一つのきっかけでコロッと変わります。それも又人間の為せる処です。

万人に陽と陰の部分があるのです、万人に粘着と恬淡があるのです。全ての人は善人であり悪人なのです。大事な事は人を一つの鋳型にはめ込み固定化しない事です。
そして最も愚かなことは自分で自分を固定化し縛る事です。行動はマナーを守るべく自己を律して、精神は自由自在に開放することが、人生を生きる要諦です。

1000年を超える{源氏物語」も「枕草子」も人間とは何かに対する深い洞察力の涵養なくして、書けるものでなく、今に残る筈もないのです。
(2024年06月21日 10時40分55秒)

Re[1]:「枕草子」を読んで~ものを書く幸せと慰め(06/20)  
七詩  さん
・曙光さんへ
1000年も昔の人々のことは想像するしかないですし、違っているかもしれない。書いたものから想像…といっても、人には様々な面があるものですし。ただ、当時の都に住む貴族の人数はそんなに多くなかったと言います。
案外と狭い世界だったのでしょう。
(2024年06月21日 16時51分14秒)

性格の悪さは内向性の裏返し  
鳩ポッポ9098 さん
>案外とどこかで会っていて面識もあったのかもしれません。

うーん、知っていたとしても清少納言にとって、同時代の紫式部は特に意識するほどの相手ではなかったと思いますね。

>紫式部日記の悪口は面識もない人にそこまで書くかと言う気もしますし、紫式部日記で「恥をみせつ」と意地悪を書かれている「こまのおもと」が清少納言の娘のこまの命婦だとしたら、母の憎さを娘にも…と粘着質におどろきます。

正直、紫式部の性格の悪さは自らの内向性と表裏の関係にあると思いますよ。

彼女自身が書いているように、イジメにあって5ヶ月も引き篭もり、結局阿呆を演じる事で仲間に入れてもらわざるをえなかった人から見ると、思った事は表現しないと気が済まないタイプで、それでいて男にもモテている同性には、激しい敵愾心を持つものでしょうね。

内向的な性格故に、かたや知性がアダとなり、周囲の歓心を買って、馬鹿を演じる努力をしているのに、かたや知性を(彼女から見ると)鼻にかけて披露し、楽しそうにキャッキャしているのを見ると、なんで私がこんなに努力しているのに…あんな女に将来いい事なんてある筈が無いわ!とでも言いたい気持ちもわからないでもありません(笑)

>書いたものから想像…といっても、人には様々な面があるものですし。

基本的な性格は、書いた物を読めば一目瞭然でしょう。又、同時代の他の人の意見や史料と照らし合わせて、その人がどういう思考の傾向があり、どういう行動パターンを取るかは大体の傾向があります。逆に、がらっと性格が変わるのは、本人とってよほどショッキングな出来事があった時に限られます、それは現代人も同じですよ。 (2024年06月21日 22時53分12秒)

Re:性格の悪さは内向性の裏返し(06/20)  
七詩  さん
鳩ポッポ9098さんへ
清少納言は和泉式部や赤染衛門との間に贈答の和歌が遺っているのに対し、紫式部はたまたま同じ寺に参詣していた伊勢大輔との間の贈答が遺っているだけです。知性をひけらかしているようでいて、皆に好意をもたれていた清少納言に紫式部が嫉妬していたというのはありそうですね。まあ、1000年も昔の人なので想像するしかないことですが。
(2024年06月22日 14時21分56秒)

内向的な性格故の長編小説かもしれませんね  
鳩ポッポ9098 さん
まあ、紫式部のこういう内向的な性格が、源氏物語の様な長編小説には良かった面もあると思います。今でもオタクが突然、一躍時の人になる例がありますが、あれと同じでしょう。妄想大好き系根暗女子の妄想大爆発といったところでしょうか。分析眼が優れていて、人物設定やシナリオが細やかなのも、内向的な性格が役に立った面はあるでしょう。

一方の清少納言は、バリキャリインフルエンサーで、熱心なフォロワーから、今までのツイート面白いから出版してみなよと言われたから、出版してみたよ的なノリでしょうか。少し全体として纏まりに欠けるのも、随筆というジャンル故に、あまり気になりませんね。 (2024年06月22日 19時05分13秒)

Re:内向的な性格故の長編小説かもしれませんね(06/20)  
七詩  さん
鳩ポッポ9098
枕草子は書きたいことを書いて、そして書いたからには多くの人に読んでほしいと思った…今のブログによく似ています。
源氏物語も書いている途中から評判になっていて、下書きなのにもっていって読まれてしまったみたいな紫式部日記にありました。紫式部は、内向的な性格とされていますが、人間が嫌いだったわけではなかったのでしょう。源氏物語には決定的な悪役と言うのはいないのですね。弘徽殿の女御や兵部卿北の方が悪役に近いのですが、後者などは世間によくあるタイプでしょう。


(2024年06月23日 07時16分08秒)

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