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2006.05.21

村上ファンドはグリーン・メーラー

テーマ：考えたこと　想い出したこと　読んだ本(435)

カテゴリ： 🔴 【ニュース・時事・政治・経済・社会】

今となっては、当たり前となった内容だが、せっかく書いていたのだから、一応掲載しておこう。

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みのもんたが、「村上ファンドは非難されているが、そんなに悪いものではないのだ。米国などでは、生命保険基金が利回りの不足分をファンドに託しているのだから」などと、訳のわからない村上ファンド擁護論をしゃべっていたが、これは見当はずれだと思う。
この頃の検察の「世直しミッション意識」が、かなり気にかかるが、村上は間違いなく悪人である。

そもそもファンドという言葉は資金という意味である。
特に運用資金のことである。
★　ファンド
一般には投資信託などの形態で、投資家から委託を受けた「資金の運用」を、投資顧問会社等の「機関投資家」が「代行する」金融商品を指すことが多い。

村上ファンドも、投資家から委託を受けた資金の運用を代行しているには違いないが、その運用の仕方が、「あくどい」のだ。

村上ファンドの別名を「説教強盗」というそうだ。
最近、韓国人の説教強盗というのが現れて、「日本は寂しい国だ　もうすぐ滅びる・・・」などと、自分の国を棚に上げて、余計なことを説教して金を取っていったらしいが、説教強盗というのは、強盗に入ってものを盗るだけではなく、戸締まりの用心が悪いとかなんとか、縛り上げたその家の人間に説教をする。
正に盗人猛々しい（ぬすびとたけだけしい）のである。
村上ファンドも、説教しながら金をゆすってゆくという点では、同じではないか？

普通のファンドは、例えば米国の教員年金組合などから委託を受けてポートフォリオを組み、出来るだけの利益を出そうと言うだけだ。
一般の投資信託もファンドと言える。

しかし、村上ファンドは、そんな素直なファンドなどでは無く、グリーン・メーラーなのである。

★　グリーンメーラー
　標的企業の株式を買い集め、その企業や関係者に高値で買い取りを迫る買収者を指す。
通常、敵対的なＭ＆Ａ（企業の合併・買収）を仕掛けて集めた株を、高値で買い取ってもらうことで、投下した資金を回収し、投資収益を上げることを狙う。
英語のブラックメール（脅迫状）と、ドル紙幣の色が緑色（グリーン）であるのをかけた表現といわれる。

つまり、グリーン・メーラーとは「利ざやかせぎ屋」なのである。

村上ファンドは当初、「物言う株主」「物言うファンド」と呼ばれた。
短時間に大量の株を買い占め、企業の経営が能力不足で怠慢だから、株価が本来の株価以下に止まっている、十分な配当がなされていないなどと、企業経営に対して大批判を展開する。
今にもその企業をのっとりそうな勢いである。
その結果、株価が上昇したり配当が増えたりする。
すると、所有した株を高値で売り抜いて、またはその企業に買い取らせて、それまでわめいていた経営参加などいつ言ったか？というような調子で、次の標的の企業に向かう。
正に上記の「グリーン・メーラー」そのものである。
一言で言うと悪者である。
その企業をよくしよう、コーポレート・ガバナンスが大切である・・・などと言うのは口先だけで、要する説教強盗なのである。
もともとファンドとは、投資家なのであって、経営能力など無い。
株を買い占めても、それは経営参加意欲などではないのである。
それは、今回の阪急・阪神統合問題でも、最後の最後で村上ファンドが、腰砕けになった事を見てもわかるだろう。

ただし、佐山という阪急ホールディングのアドバイザー（テレビ朝日の報道ステーションへの出演が多い一橋大大学院教授で、ＧＣＡ代表の佐山展生氏）は、検察の動きが噂されながら、900円でＴＯＢを仕掛けたのは、差し手を間違ったのでは無かろうか？
すでに一部の経済評論家が検察の動きを予言していたし、元阪神監督の星野氏までが、なんらかの情報によって「天罰が下る」とまで公言していたのだ。
もと粘れば、もっと安値で、村上ファンドが阪神株を手放したはずである。

ライブドアと組んでニッポン放送株を大量購入した件で、今回はインサイダー取引と判定された村上ファンドだが、実際はこの村上世彰容疑者は、ライブドア・ホリエモンをも欺いた「極悪非道」（笑）の大悪人らしい。

もともと村上ファンドは、自身のＨＰでも述べているように、2001年初頭より日本放送株を買い漁っていた。
そうして、いざニッポン放送に高値で買い取らせようとしたところ、ニッポン放送側には、総会屋対策で有名な人物がついていて、高値で買い取ってもらうどころが、けんもほろろにあしらわれ、大量のニッポン放送の処分に困ったのだという。

そこで「プロ中のプロ？と自認する」この極悪人は（笑）、ニッポン放送を、ひいてはフジテレビの「経営権を取れるぞ」とライブドアを「そそのかせて」ニッポン放送株の買い占めに向かわせ、その株価が高騰したところでちゃっかり売り抜いたのだという。

このようなあざとい手法を知ると、村上ファンドが単なる投資機関であるとは言えなくなる。
悪質なインサイダー、いやそれ以上の詐欺師と言えるのではないか？
また、仕手株の仕手筋とも言える。

考えてみたら、仕手株などは、すべてインサイダー取引と言えるのではないか？
ネタがあってこその仕手株である。
そのネタが、仕手筋・玄人筋でささやかれ、仕手株の動きがあるのである。
私も、昔は、友人に吹き込まれた「インサイダー情報もどき」を信じ込んで、大型株などには目もくれず、仕手株ばかりを買って一喜一憂。
その結果は、・・・あまり公表したくない、「地味な」成果であったのである。
私も、厳密に言えば「小さなインサイダー」であったのだ。
いや！　インサイダー情報レベルのものでは無かったので、「地味な成果」となったのであろうと思う。

ところで、インサイダー取引の要件とはどのようなものであろうか？
東証によればインサイダー取引とは下記のようなものだという。
★ インサイダー取引
インサイダー取引とは、会社の内部者情報に接する立場にある会社役員等が、その特別な立場を利用して会社の重要な内部情報を知り、その情報が公表される前にこの会社の株式等を売買することを言います。
このような取引が行われると、一般の投資家との不公平が生じ、証券市場の公正性・健全性が損なわれるおそれがあるため、証券取引法において規制されております。

別の言い方をすると、下記の様なことになるようだ。
○ インサイダー（内部者）が
○ 株価にインパクトを与える情報を
○ 一般投資家（アウトサイダーとでも呼ぶべきか？）が、それを知る以前に知り
○ 株式売買をすること

特に、「一般投資家がそれを知る時」とは
○　全国紙（朝日・読売・毎日・産経など）や、共同・時事などの通信社、ＮＨＫなどの主要メディアの2社以上がそれを発表して12時間以上経過した時点・・・を言うそうである。

こう考えてみれば、ホリエモン被告と村上世彰容疑者とが、額をつきあわせて秘かにプロットを練っていた、その情報など上記の要件を全く満たしていない、完全なインサイダー情報なのである。
さらに、同じ悪人でも、村上世彰容疑者と比べれて、まだホリエモン被告の方が「悪」のレベルが低いような、可愛い？様な気もするのである。