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就職面接 大学職員が同席
キャンパスでの支援をどう就労へとつなげるか。
発達障害の学生の支援では最大の課題だ。
昨年の12月11日、雪おこしの雷が鳴り響く
富山大 (富山市)のキャンパスにある面談室を、
卒業生の山中威男さん(24)(仮名)が訪れた。
「表情が明るいね」と職員が声をかけると、
山中さんはうれしそうにはにかんだ。
他人と上手に話せない自分自身に、幼い頃から違和感を抱いていた。
大学に入学し、
接客業のアルバイトを始めたが、失敗の連続。
2年生の時に訪ねた病院で、
対人関係が苦手な「アスペルガー症候群」と診断された。
「『そうだったんだ』と
それでも特別なサポートを受けることなく学生生活を送っていたが、
3年生になって就職活動が始まると、大きな壁に突き当たった。
面接で想定外の質問を受けると、言葉が出てこなくなる。
25社を受け、2社は最終面接まで進んだが、
内定は取れず、「自分だけ就職できないのでは」
と不安に押しつぶされそうになったという。
障害学生の相談対応窓口となる
「アクセシビリティ・コミュニケーション支援室」に駆け込んだ。
支援室特命講師の桶谷
「コミュニケーションが苦手な発達障害の学生は、
筆記試験が優秀でも面接で落とされがち。
就活と並行して卒業研究もあり、
スケジュール管理が苦手な山中さんには負担だった」
と話す。
昨年春、内定を取れないまま卒業した山中さんは、
精神障害者保健福祉手帳を取得し、
障害者雇用枠での就職を目指すことにした。
卒業後も支援を続けていた桶谷さんは
「一般就職でも大丈夫と思ったが、決意が固かった」
と話す。
山中さんは
「親のことを考えるとつらかったけれども、
就職できないままでいるよりはいいと思った」
と胸の内を明かす。
卒業後に独学で簿記2級の資格を取るなど、
真面目で粘り強いのが山中さんの長所。
しかし、面接ではうまくアピールできない。
大学はハローワークと連携し、
山中さんの能力を正当に評価してもらうため、
面接に支援室の職員の同席を許可してくれる企業を探した。
面接に同席した支援室コーディネーターの日下部貴史さん(33)は、
山中さんが言葉に詰まった時に補うなどしてフォローした。
「山中さんは特別な配慮を求めているわけではない。
苦手な部分があることを理解してもらった上で働きたいということを伝え、
発達障害への誤解を解いてもらった」
と説明する。
山中さんは富山県内の企業に採用された。
「仕事にやりがいを感じている」
と笑顔を見せる。
支援室の職員らは今も月1度、山中さんと面談し、
フォローアップに努める。
桶谷さんは
「特に地方では障害者雇用枠の求人が少ない。
希望できる職種が狭まってしまうリスクもある」
という。
それでも障害者手帳に頼らざるを得ない学生がいたことが、
発達障害に対する社会や企業の理解が進んでいないことを示している。
自分の個性をきちんと受け入れ、前向きに挑む。
親への申し訳ない気持ちを乗り越え、自ら手帳を取得し、
やがては就職というスタート地点へ。
人生はこの繰り返しにせよ、
いつもいつも諦めずに前向きに歩みたいですね。 🌠
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