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通所女性が中絶 「望まない妊娠、再発防止を」
20代男女、施設内での行為 施設側、認識の甘さ認める /神奈川
横浜市内の知的障害者の通所施設で働く
知的障害者の20代男女の間に子供ができ、
女性が中絶する出来事があった。
「望まない妊娠の再発防止につなげたい」と女性の母が明かした。
取材を進めると、男性側の苦悩も浮かんできた。
知的障害者の性とどのように向き合うか−−。
一度は宿った命を前に、思いは交錯している。
施設や家族によると、施設職員が昨年12月上旬、
数回にわたって施設内で男女の行為があったことを確認。
場所は毎回、施設の無施錠の会議室だった。
産婦人科で診察を受けると、妊娠7週と判明。
「出産、育児は難しい」と判断した男女の母たちが
知的障害者の中絶を扱う病院を探したが見つからず、
施設が紹介した個人院で今年1月上旬、中絶手術を受けた。
その後、男性は別施設に移った。
女性の知的障害は、4段階で2番目に重たい「重度」。
中学生の時から母子家庭の母が支えてきた。
妊娠発覚後、母は
「出産、育児を通して母性本能が育ち、
娘の成長になるかも」
とも考えたが、
「生理の意味も分からず、妊娠、出産、子育ては無理。
今まで懸命に築き上げてきた暮らしも崩れる」
との思いに至った。
「中絶できる病院が見つからずおろせなかったら、
親子で心中するしかない」
とまで思い詰めた。
中絶手術に向けた診察では毎回、女性は
「お母さん、お母さん」
と不安そうに母を呼び、
母はずっと手を握って落ち着かせた。
術後、順調に回復したが、心身の負担を思い、
「施設の管理が行き届いていなかった」
と責任を訴える。
女性に男性への思いを聞くと
「分からない」
と繰り返した。
一方、男性の知的障害は3番目に重たい「中度」。
女性に
「好きという気持ちがあった」
と話し、
「楽しい家庭を持つことは小さな頃からの夢」
と語った。
ただ、男性の母によると、
結婚や育児のイメージは持てていないという。
男性の母は
「中絶は女性にとって心も身体も負担が大きく、
男の親として本当に申し訳ない」
と話す。
「息子には、女性につらい思いをさせてしまったことを忘れてほしくない」
と男性と共に取材に応じた。
中絶で一つの命が失われる重みを考え、
「赤ちゃんは生まれながらにして両親が知的障害者という事実を背負う。
経済的な問題も含め、育児は難しい」
と心情を語る。
女性の母とは逆に、男性の母は
「施設が早く気付いてくれたので、
限りある時間の中で悩むことができた」
と話し、施設を責める気持ちはないという。
施設長は男女の関係に
「お互い好意を持っていた。
(行為は)双方の同意があった」
とした一方で、妊娠、中絶に至ったことについて
「誰もが出入りできる場所で行為が行われるとは予測できなかった」
と認識の甘さも認める。
ただ、性との向き合い方への対応は定まらず、
「利用者の障害は最重度から軽度までで、
一律に性について教育することは考えづらい。
個別支援の必要があるか、
必要があれば誰がどうやるか、考えなければならない」
と話す。
知的障害者の人権に詳しい杉浦ひとみ弁護士は
「働くための施設では仕事、
技術、日常生活を身につけるのが目的で、
施設が監督すべき立場にある」
と説明。
「関心はあっても、
行為がどのような結果を生むか
という判断能力はない場合がある。
施設は障害者本人の意思を尊重しつつ、
理解の程度を考慮すべきだ」
と指摘する。
その上で
「特に知的障害が軽度の人に対しては、
性から遠ざければよいわけではなく、
『好きな人を大事にする』
という教育をしなければならないのではないか」
と提案した。
また、約20年にわたり障害児教育に携わってきた
「障害児を普通学校へ・全国連絡会」の北村小夜世話人は
「施設内での障害者同士の妊娠は
施設が隠蔽(いんぺい)するだろう。
明らかになる例は珍しい」
とし、
「人を愛(いと)しく思う気持ちは、
障害者でも尊重されるべきこと。
人として尊重されていなかったから、
このような事態になったのではないか」
と分析する。
「障害者が『できない』『知らない』ということは、
『させてもらっていない』場合がほとんど。
性もその一つだが、身につけたいという気持ちの表れを、
施設は保証する必要がある」
と話し、知的障害者の性と向き合う重要性を訴えた。
【毎日新聞 http://mainichi.jp/articles/20160723/ddl/k14/040/147000c 】
一部文字を省略しています。
とても辛く悲しい結果となってしまったことでも、
やはり常に目を背けずに向き合う環境が大事なんでしょうね。 🌠
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