PR
Calendar
Freepage List
Keyword Search
42歳でアスペルガー症候群。勇気を出して職場で障害を打ち明けたら…
カミングアウトって必要? 一般就労で障害者が働くということ
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11044015005
発達障害の診断を受けている方は、
職場でカミングアウトしているのでしょうか?
一般就労で働く方の中には、周囲に黙っているケースも多いようです。
私も42歳までは自分が発達障害とは知らなかったので、
一般就労で普通に働いていました。
いえ、普通とはいえませんね。
というのも、私は勤めては1年くらいで辞める、
ということをずっと繰り返してきたのです。
いつも理由はわからないのですが、周囲の人にだんだん嫌われ、
「仕事の覚えが悪い」「やる気あるの?」と責められ、
心身ともに限界になってやめるというパターンを繰り返してきました。
これからご紹介するお話は、
私が障害のカミングアウトに失敗し、結局退職に追い込まれた体験談です。
一人でも同じ思いをする人が減ることを祈りながら書きます。
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10248000615
私が当時働いていたのは、
派遣会社に登録して応募したデータ登録の仕事です。
ここは私が診断を受けてから、
初めて職場でカミングアウトした勤務先です。
応募時には障害のことは一切伝えませんでした。
その後あっさりと採用された私は、
出勤して間もなく指導係の上司に、納税関係の書類を書くよう指示を受けました。
その書類には障害者かどうか書く欄がありました。
「どうしよう…。」
思い悩んだ私は上司に正直に伝えることにしたのです。
私「あの、私、障害者手帳を持ってるんですが」
上司「マジか。何の障害があるの?」
私が「アルペルガー症候群です。」
上司「何それ?」
私はアスペルガー症候群を知らなかった上司に、
自分の障害の説明をすることに。
知られたときはどうなることかと思いましたが、
脳性まひの妹さんがいるとのことで、
私の障害にも理解を示してくれました。
黙って普通に働くつもりでしたが、
こうして私の障害は
管理職全員と仕事のチームリーダーに知られることとなったのです。
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161002329
その後、入社して2ケ月が経過した頃です。
障害者手帳のことを打ち明けていた指導係の上司は、
そのまま私の上司になりました。
その日は上司との個人面談がありました。
私「この頃なんだかAさんに避けられているような気がするんですよね。
いつもそうなんです。気がついたら嫌われているんです」
上司「君に言ったら傷つくかもしれないけど、
はっきり言わせてもらうよ。
君は動作が1つひとつ大げさで、
『あっ!』『やってしもた』
とか大きな声で独り言を言うよね。
それが子どもっぽく見える。
そうした振る舞いは日本の社会では異質なものとみられる。
日本人は小学生の頃から横へ倣えの精神を叩きこまれるでしょ。
異質なもの、変わった人は嫌われてしまう。
僕も最初は君のことを『変わった人だな』と思ったよ。
だけどアスペルガー症候群と聞いていたし、
受け入れようという思いがあったからずいぶん違った。
君のバックグランドを知らない人は、
嫌ってしまうこともあると思う。
知っているから受け入れられるという保証はないけれど、
打ち明けてみるという選択肢もある。
ちなみにAさんは逆に、
『ヨーコさんに避けられてるみたいなんです』
って気にしてたよ。」
と言われました。
これには正直ショックでしたが、
「なぜか人に嫌われる」
という長年の謎が解けたようでスッキリもしました。
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017005535
上司との面談の数日後、
上司抜きでスタッフとミーティングをする機会がありました。
メンバーはいつも一緒に仕事している派遣社員たちです。
その場で私は、
普段から気になっていたことを聞いてみることにしました。
私「私が質問しようとすると
『何言ってるのかわからない』
とBさんは仰いますが、
どうしてなんですか?」
Bさん「普通、自分で十分調べてから
ここがわからないと聞いてくるのに、
あなたはそれもせず、やたら焦って聞いてくるから、
何を聞きたいのかこちらもわからない」
私「私にはちょっと人と違った特性があって、
まず騒がしい環境で呼ばれても聴き取ることができません。
それから、言葉で次々と説明されると理解が追い付かなくて
パニックを起こしてしまうことがあります。
あと空気が読めません。
いろいろと失礼なことをしてしまうかもしれませんが、
申し訳ありません。」
このとき、「アスペルガーだ」とは言えませんでした。
引かれるのが、偏見を持たれるのが、
変に遠慮されるのが怖かったからです。
Bさん「そんなこと言われても困る。
まるで私がいじめているみたいじゃない」
私は、「違うんです」とどれだけ説明しても、そ
の後話を聞いてもらえませんでした。
次の日から職場の空気が明らかに変わりました。
ものすごく冷たいのです。
後に聞いたことですが、
みんなは
「ヨーコさんはみんなの前でBさんに失礼な態度を取った」
と思っていたそうです。
そして、私の説明を
「そんな私だから優しくして下さい」
と訴えてきたと受け止めたようでした。
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10387002119
そのミーティングからしばらく経ったある日、
上司から声をかけられました。
「スタッフが
『ヨーコさんが何度も同じことを質問してくるから困っている』
『ヨーコさんが目を合わせてくれなくなった』
と訴えてきたよ」
このときの私は、すっかり職場の人と接するのが怖くなり、
最低限しかコミュニケーションをとらなくなっていたのです。
明らかに私の雰囲気が変わったことに気付いた上司は
「あのミーティングで何があった?」
と聞いてきました。
ミーティングでの出来事をそのまま伝えたところ、
上司は
「それは中途半端なカミングアウトでタイミングも悪かったね。
もう、ちゃんとカミングアウトしないとやっていけないと思う。」
と言いました。
そこで、アスペルガー症候群についての基本的な説明と、
医者から言われていた私の特性をプリントにまとめ、
上司からみんなに説明してもらうことになったのです。
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017014728
説明を受けた一部のスタッフは、私に妙に優しくなりました。
一方でこれまでの態度と一切変わらない人や、
「いろいろな個性があっていいじゃない。
言ってくれてよかったと思うよ」
といいながら、
これまでよりも距離が遠のいたスタッフもいました。
スタッフから言われた言葉の中で
「ああ、わかってもらえないんだな…」
と思った一言があります。
「子どもの頃は学校でやってこれたんでしょ。
個性の問題よ。みんな一緒。」
どれだけ説明しても、
「頑張っているのにできない」
「努力ではカバーしきれない問題
」だと、
理解してもらうことは難しいな…と思った瞬間でした。
また、「私がいじめているみたいじゃない」
と言っていたBさんは、
私の障害について
「そんなこと言われても理解できない」
と繰り返していたそうで、
その後挨拶もしてくれなくなりました。
それからしばらくして、
出社拒否症のような状態になり限界を迎えた私は、
会社を去りました。
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10736004631
この会社を辞めてから、障害者相談機関でこのときの話をしました。
すると、
「カミングアウトはとても難しいんです。
最初からジョブコーチや支援者に入ってもらって、
その人から話してもらうことをお勧めします。」
と言われました。
今回のケースでは、私も最初は隠し通す気だったし、
カミングアウトも場当たり的で失敗しても無理はなかったと思います。
障害者職業センターでは、自分の特性をまとめ、
「知っておいてほしいこと」
「それについて会社に配慮してほしいこと
自分ではどう努力するか」
を表にする作業を一緒にしてもらいました。
言いっぱなしでは誤解を招くだけになりかねません。
しっかり準備して
「会社や周りはどうすればいいのか」
「自分でも努力すること」などを明示し、
十分に計画を練ってカミングアウトすることをお勧めします。
【woman excite. http://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35026035/ 】
一つの社会はそれこそ、色々な個性の集まりであり、
特に目に見えない障害者を
受け入れる側の器の大きさも問われてきますね。 🌠
次男は重度の知的障害のある自閉症 岐阜… 2024.11.16 コメント(8)
心が落ち着く青い壁に観葉植物など刑務所… 2024.11.15 コメント(7)
【書評】思考と行動をつなぐ:柴崎友香著… 2024.11.14 コメント(10)