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着衣の乱れがきっかけで、
発達障害がある女児が性被害に遭ってしまうこともある。
身だしなみやマナーを身に付けることも危険を避けるのに必要だ。
だが、発達障害がある子どもは男児が女児の四、五倍とされ、
療育施設に通うのは男児が大半。
女児に必要なことを教える療育施設も
不足しているのが現状だ。
名古屋市昭和区の
発達障害児向け放課後等デイサービス「Luce(ルーチェ)」は、
女児向けの療養プログラムを取り入れている施設の一つ。
白を基調にした室内の壁紙や家具、天井のシャンデリアが、
お姫様に憧れる女の子たちをウキウキさせる。
来るのが楽しくなるようにという工夫の一つだ。
発達障害の子は、目からの情報は理解しやすいが、
ある一部の情報を基に全体を想像するのが苦手な傾向があり、
鏡を見て正面の姿は整えられるが、
後ろ姿は分からない子が多い。
そのため、ルーチェではスカートの後ろの裾がめくれていないか、
髪が乱れていないかなどにも気を付けるように指導する。
生理のときのナプキンの付け方や捨て方なども教える。
子どもたちはここに来るとまず、あいさつし靴を脱いでそろえる。
準備が整ったら「お約束」を一人ずつ読む。
「むやみに人に触りません」「服装に気を付けます」…。
親と相談して決めた内容だ。
施設長の藤原美保さん(48)は
「この一連の動作を
スムーズにこなせるようになるまでに
何日もかかる子もいる」
と話す。
プログラムは、個人のペースに合わせられるように
四、五人の少人数グループで受ける。
指導する専門スタッフは全員が女性。
男性だと、性に関する話を
「男性にも話していいこと」
などと勘違いしてしまう恐れがあるからだ。
一年前から通う愛知県内の小学三年の女児(8つ)は、
以前は他の発達障害児向け施設に通っていた。
周囲は男児ばかり。
一緒に過ごすと、周囲の言動がすり込まれる。
友達を呼ぶときは「おい、おまえ」。
話し言葉やしぐさは、どんどん男の子っぽくなった。
母親(40)は
「通えば通うほど
『女の子なのになんでそんな話し方なの?』
などと言われるようになり、行き場がなかった」
と振り返る。
ルーチェに通うようになってからは、
帰宅すると汚れ物は洗濯かごに入れるなど、
身だしなみを気にするようになってきた。
母親は
「少しずつ自分自身のことを客観的に見られるようになり、
しぐさや言葉遣いがかわいらしくなった」
と目を細める。
ルーチェでは、送迎は親がすることにしている。
スタッフは毎日、親の相談に乗ったり、注意点を伝えたりする。
家庭と連携しないと、
その子に合った療育の方法やタイミング、
生まれ持った素質などは分からず、
効果を最大限には引き出せないとの考えからだ。
親の勉強会も定期的に開催し、理解を深め合っている。
子どもの行動を理解できなかったり、
障害を受け止めきれず、
障害のない子に近づけようと力む親を客観的に見て、
親子関係を修復することもある。
藤原さんはこう話す。
「子どもに手がかかり、ゆっくりしたい親の気持ちは分かる。
でも発達障害の子は、
学習を積み上げるのに時間がかかる一方、
崩れるのは早く、預けっぱなしでは効果は出づらい。
日々の変化をしっかり見てほしい」
【東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201803/CK2018030102000201.html 】

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