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西陣織支える知的障害者 工房開所15年、10業者から受注
「ガッシャン、ガッシャン」-。
3階建てビルの中から、機織りの音がリズム良く響いてくる。
慣れた手つきで布を織り上げるのは、
京都市北区の就労継続支援事業所「西陣工房」で働く知的障害のある人たち。
工房は開所から今年で15年目を迎え、
「福祉から地場産業を支える」
という目標に向かって着実に歩を進めている。
工房ができたのは2004年9月。
西陣織の工程の一つで経(たて)糸を整える「整経」を行う家で育ち、
京都市内の福祉施設で長く働いていた河合隆施設長(61)が、
西陣織と福祉をつなげられないかと考え、立ち上げた。
はじめは知的障害のある3人で組みひもの生産からスタート。
2007年には修学旅行生や観光客に、
工房で働く人が組みひも作りを指導する体験教室を始め、
今では年間に約700人が工房を訪れる。
その後、糸繰り機や複雑な文様を織れる「ジャカード機」を順次導入し、
本格的な西陣織の技術習得に乗り出した。
中村賢太郎さん(19)=左京区=は、
工房に通い始めて2年目。
今年8月から、手織りできるジャカード機を使って作業を始めた。
正絹の糸を機械に通し、美しい紋を織り上げていく。
「手で織るのは楽しい」と、笑顔を見せる。
現在、27人が工房で働くが、
言葉での意思疎通が難しい人も多い。
複雑な作業を習得するのに時間がかかるが、
「見たものを記憶するのが得意な人もいる。
粘り強く教えると、覚えられる」
と河合施設長。
今、中央省庁などで障害者雇用の水増しが問題になっているが、
「工夫次第でその人の能力を伸ばすことができる。
雇用確保の面だけでなく、どんな仕事をすれば
キャリアアップになるかを考えることが重要だ」
と話す。
工房では今夏、夏用の生地「紗(しゃ)」を織る機械を新たに導入した。
織物は自主製品として、
市内の店舗やネット通販などでも販売しており、
多様な製品を生み出すことで販路拡大を目指す。
糸繰りはすでに、
市内の個人や企業約10業者から継続的に発注を受け、
地場の産業を支えている。
「工房で働く人たちが良質の物を作り続け、
伝統産業の後継者になれるようレベルアップすることで、
西陣を支えていきたい」
と、河合施設長は力を込める。
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