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「発達障害のリアル」を、
自身も発達障害(学習障害)の息子を育てる
フリーランス編集者・ライターの私(黒坂真由子)が模索する本連載。
このたび1冊の本になり、『発達障害大全』として近日、
発売となる(アマゾンなどで予約販売中)。
前回に続き、ASD(*1)研究の第一人者、本田秀夫氏に話を聞く。
発達障害は、さまざまな障害を含む概念だが、
最も多いのはADHD(*2)だといわれている。
しかし、本田氏らの研究から、
ASDの人の数は、これまで考えられていたより、
ずっと多いことがわかってきた。
前回に続き、ASD(*1)研究の第一人者、本田秀夫氏に話を聞く。
発達障害は、さまざまな障害を含む概念だが、
最も多いのはADHD(*2)だといわれている。
しかし、本田氏らの研究から、ASDの人の数は、
これまで考えられていたより、ずっと多いことがわかってきた。
本田 :ただ、診断が増えていることと、実数が増えているかどうかは別の話です。大人になってから初めて診断される人も増えていて、その人たちは子どものころに見落とされているわけですから。
ああ、そういうことなのですね。そのなかで知的障害を伴う人の割合はわかっているのですか。
本田 :今は、そのデータを持っていないんです。
先生のこれまでの臨床経験のなかで考えて、何割くらいだろうといった体感などありますか?
本田 :ちょっとわからないですね。特に大学病院で働くようになってからは、そういった実感を持ちづらくなっています。大学病院には、特殊なケースが紹介されることが多いですから。ただおそらく全国的に、ASDと診断されている人たちの圧倒的多数は、知的障害がないと思います。
地域の保健や医療の体制にもよりますが、知的障害があるほうが、早くにASDの診断につながりますよね。
そうですね。周りが気付きやすいと思います。
本田 :そういった事情から、これまで、ASDには知的障害がある人が多いと思われていた可能性があります。知的障害のない人のなかに、ASDの特徴を持っている人が結構いるとわかったのは、1980年代から90年代前半にかけてのことです。90年代に「ASDには知的障害のないケースの方がむしろ多い可能性がある」ということを初めてデータにしたのは、僕らです(*1)。
当時は「高機能自閉症(*2)」や「アスペルガー症候群(*3)」などと呼ばれました。知的障害のあるASDの人というのは、それ以前から見つかっていましたからそこの数字は変わらず、知的障害のないASDがどんどん増えてきているという感じになります。2000年代に入ってからもその傾向は続いています。
なるほど。数字が変わらない部分と、変わる部分がはっきりしました。
本田 :おそらくASDの要素と知的障害の要素は、独立の因子なのだと思います。知的障害のほうは、昔から把握されていたので、知的障害の因子で、患者さんを診るうちに、そこにASDも混ざっていることがわかってきた。それを今度は、ASDの因子を軸として診てみると、ASDのなかで知的障害がある人はごく一部にすぎない、むしろ知的障害のない人のほうが多いかもしれないということがわかってきた。そんな流れだと思います。
ASDにかぎらず、発達障害と診断される人は増えていると思います。それに伴い、療育を受ける子どもが増えてきました。ただ、何をもって療育と呼ぶかというと、曖昧な印象を受けます。先生にはぜひ、療育についておうかがいしたいと思っていました。療育に定義はあるのでしょうか。
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