寝言は寝て語れ (旧analyzer的独白)

寝言は寝て語れ (旧analyzer的独白)

2011.01.20
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カテゴリ: 情報&知恵
「心が折れる」とは?
NHK気になる言葉  2010年12月 6日(月)

本来「心が折れる」とは【気持ちを相手側に曲げる】という意味だった のですよ。「折れる」は「双方が折れて話がまとまった」など、【譲歩する】という意味でも使われます。これは、自分の主張・気持ちを曲げて相手側に寄り添わせるということですよね。

 実際に、江戸後期の読本『春雨物語』には「山の物海の物ささげ出でてもてなすにぞ、是に心折れて飲みくらふ(=山海の珍味でもてなしたら、機嫌よく飲み食いした)」とあります。これは相手側に気持ちを曲げて"打ち解けた"、つまり【心が和らぐ】という意味です。また、昭和初期の小説『抒情歌』には「父は母の死に心折れて、私達の結婚をゆるしてくれましたの」とあります。これは"妥協する"方向へ曲げた、つまり【気弱になる】という意味です。

 しかし、現在の「心が折れる」は、"曲げる"よりも"ポキッと折れる"イメージが強く、新語を解説した本には【懸命に努力してきたものが、何かのきっかけで挫折し立ち直れなくなる状況】と解説されています。

 この意味では、20年ほど前にある女子プロレスラーが「試合の時考えていたのは、相手の心を折ることだった」とインタビューに答えたという記録もあるのですよ。これは相手から再び立ち上がろうとする気力を徹底的に奪おうとしたということ。簡単には修復できない、立ち直ることの難しい心の状態、それが「心が折れる」ということなのでしょう。

 でも、最近ではちょっとしたことですぐ「心が折れる」と使う例が見られます。この表現も時代と共に変わっていくのでしょうか。

 ◆午前中お得意さんへ向かうクルマの中でFMを聞いていたら、赤坂泰彦氏が“ディア・フレンズ”のなかで「心が折れそうになった… 」というフレーズを使っていた。それは「こころがくじけそうになった」という意味でした。本をよく読む人は本来の意味をご存知で、最近の「心が折れる」に違和感を持つそうです。

 ことばは生き物で、その表現は時代と共に変わっていくもののようです。以前このブログで「雨模様」は雨が降っているのか、降っていないのか?と書いたことがあります。さすがにNHKでは誤用はないみたいだけど、他局の若いアナウンサー・レポーターが弱い雨が降っていることを「アメモヨウ」とレポートしてるのをよく聞きます。

 間違っているとしてもたくさんの人が使って市民権を得て辞書に載るようになれば、それが正しい意味になっちゃうんですってね。でもなんか、ワカゾーが誤用してるのにそれが日本語として定着するってのは、、、気分が悪いなあ。わたしのこころは折れません(笑)。こりゃあ、ジジイになったってことかー?





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最終更新日  2022.09.25 06:05:39
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違和感  
salamonet56  さん
私はしばしば…心がくじけます(困)。

「心がポッキリ折れる」よく耳にしますね。
造語、新語が増えるので理解できない言葉を調べるのも辞書では追いつかない時代ですね。

つい先日、新人ちゃんが「ひもじい」の意味がわからないと言い、辞書を引けない新人ちゃんのために研修医が引いてやり、音読までしてあげていました。

私も文章ヘタで特に「助詞抜かし」をしてしまいます。
間違った使い方をしていることも多いと思います。
読書しなきゃ。

そうそう、最近ウルサク感じるのは「超絶〇〇!」です。
ナニ?ついていけない…。

(2011.01.21 07:54:39)

Re:違和感  
analyzer-m  さん
うちの“ゆとり世代”クンたちの「ダイジョブです」に激しく違和感を感じています。「もう十分戴きました」とか「もう沢山です」とか「お腹いっぱいです」とか「受取りました」とかをゼ~ンブ「ダイジョブです」で済ましちゃうようです。

それ、違うだろって(笑)。

(2011.01.21 19:30:03)

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