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2007.03.25
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カテゴリ: BOOK

食わず嫌いというか、読んでみたいけど手をつけていない作家がいた。

町田康。

ナルシストな感じ(知らないけど)に拒否反応が出てしまい、世間が騒いでるときも
「私は踊らされないわ」
なんて、別に誰もどうも思わないのに、妙に彼を意識して避けたりしていた。

しかしこのたび、図書館でたまたま彼の本を手にし、たまたまパラパラページを繰ってみた。

もう彼は「ブーム」という時期を超え、作家として相当認められた地位を確実に築いているし、今さら「ミーハー」なんて扱いを受ける人物ではないと判断したからである。

そういう意味で、彼は私にとって、ある意味「意識する存在」ではあり続けてたのだ。

で、手に取ったのは小説ではなく「エッセイ」。
それも、ものすごく短い話が山盛り載っている本。

まだ最後まで読んでいないが、数ページ読んだだけで、彼のことを好きになってしまった。
なんだかメチャクチャなのだが、とても魅力的なのだ。

というわけで、少しだけ紹介しますとですね…。



彼はこの木を非常に気味悪く思い「邪悪の木」と呼び、直ちにこれを切断するわけだが、2、3日経つと同じ場所でまた邪悪の木が生長している。

慌ててまた伐る。しばらくするとまた生えている。また伐る。ということを繰り返し、とうとう彼は邪悪の木に勝利して彼を根絶したのであるが…

のちに「邪悪の木」畑を見つけ驚愕するのだが、それは「たらの木」であると友人から教えられることになる。

この件を電車で読んでいたのだが、「邪悪の木」と命名するそのセンスに、ほんとに笑ってしまった。

多分今日私を見かけた人は「電車で笑ってる気持ち悪い女を見た」と、誰かに話すかもしれない。


彼の文章は、非常に一文が長い。
通常、このような長い文章は、主語と述語の関係がおかしくなり、何を書いているのか分からなくなったりするものなのだが、全くそんなことを感じさせない。

むしろ長いことを武器にしているというか、そこに彼の人柄とか歪んでる感が出ていておもしろい。

やばい。しばらく「町田康ブーム」がきそうな予感。
これはお気に入りの作家になりそうだ。





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Last updated  2007.03.26 01:52:20
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