携帯が鳴った・・・納富氏からだ。今回のオファーはP230だった。過去に何丁か製作しているタイプだが、
アップの発砲用のではなく、
ロングの発砲用のでもない。
云わば両方の長所を兼ね備えたタイプ。
基本的にはロング用で良いのだが、グリップがPPK/sの侭だと握った時にバレる。
かと言って寄りの発砲用の様にP230のグリップを移植すると貫通していない片側一本止めスクリューには強度的に不安が残る。
強度と言えば過去にアップ用は修理をした記憶がある。加工したハンマーを受ける部分の形状に問題があった。
本来在ってはならない事だ。今回はこの辺も考え直さないとならない。
修理に戻ってくるカスタムプロップは殆どないので印象に残っている。他に覚えているのはM84ベースのグロックくらいのものだ。勿論BIG SHOT内で済む程度の
破損や故障は私には分からないのだが・・・
アップ用の作り込んだ「リアルさ」とロング用の「強度」、この相反する要素を両立さなければならない。
ポイント(納富氏の拘り)を整理すると
●グリップはPPK/sの様な貫通したスクリュー保持方式とし、かつ大型化する。
●フレーム及びスライドのハンマー周辺の形状を再検討し強度を増す。
最初P230のグリップを貫通したグリップスクリューで装着する事を考えたが果たして強度が出るだろうか?
いっその事ABSの積層&削り出しとするか?でもそれだとグリップウエイトを
埋め込むのが難しい・・・しかしウエイトを入れて重量を稼ぎたい!←私のコダワリ
折角のHW樹脂モデルでもある。
・・・PPK/sのグリップを盛って大型化するか!ならばグリップウエイトが活かせる!!
と言う訳でPPK/sのグリップの前後にABS板を貼ったのが↓の左側
更にP230のグリップのチェッカー部を移植し上部はシアノ系の接着剤を盛ったのが↓の左側
整形終了した↓左側
拘りにコダワリを掛けあわせた為非常な労力となってしまった。やはり1からスクラッチ
した方が楽だった・・・結果時間に追われる苦難の道・・・毎度の事乍プロップガンの
製作時間に有り余る時間など存在しないのだ。
アップ用はPPK/sのメインフレーム前面を基準としP230のグリップを移植したが今回は逆にグリップ後面を基準に位置出しをした。
その為グリップフレーム前面を延長する事になり、結果スライド及びフレームの後端を
延長せずに済んだ。
アップ用の破損したの正にこのフレームの延長した部分なので、ココに極力加工を加えない事は強度アップに繋がる。
スライドのセレーションの移植も強度を優先する為、切り取った部分の厚みを0.3mm、
厚い部分でも0.6mmと限界まで薄くし、スライドの厚みを温存した。
グリップのチェッカーの位置がもう少し後だったらよりベターであった。
ファーストチャレンジには常に後悔が付き纏う。
下塗りを終え(↑画像)BIG SHOTの元へ旅立った。そして本塗装がなされ金曜ドラマ「オルトロスの犬」で長谷部渚が使用。
テレビ朝日「交渉人-THE NEGOTIATOR」では同タイププロップのシルバーモデルが宇佐木玲子の愛銃となった。
JON09比較 2010.06.20
M1917アドベンチャーカスタム 2009.12.22
XXXX 2009.09.22