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2023.08.19
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カテゴリ: 観照
=== 2023.8.7 ===
南の空
15時25分頃に 撮りました。午前中に撮るのを失念。
南西方向の空
西方向の空
東方向の空
いずれの方向も曇り空。

東方向の空
18時20分過ぎに 眺めるとくもり空のまま。すこし雲の姿に変化があります。
南の空
南西方向の空
西方向の空
一日、くもりでした

=== 2023.8.8 ===
9時25分頃には雨が止んでいました 。早朝に雨が降ったのでしょうか。
南の空
南西方向の空
西方向の空
東方向の空
雲の姿を見ると、 雨が降るときの空模様という感じの雲 です。

東方向の空
17時過ぎに 眺めると、銀鼠色はそれほど変わりませんが、雲の姿は大きな塊りの雲になり、青空が少し見えます。
南の空
雨がふることはなく、 曇りから晴れに 変化。白雲が浮かび青空が見えるように。
南西方向の空
西方向の空
くもり後晴れ という天気になった一日です。

さて、雲がたりのつづきです。
真民さんの全詩集は、 「三昧」という詩集 が続きます。この中に 「八木重吉氏に」と題する詩 が載っています。       (参照『坂村眞民全詩集 第一巻』大東出版社)

あなたが生きていたら
 手を取りあって話したい気がする
 林檎をむきあって食べたい気がする
 一輪の花の心を二人で語りあいたい気がする
 夕焼けの雲の下に黙って坐っていても
 温かく心は通う気がする
 でもあなたはもうこの地上へはおりてこない
 手を握りあうことも
 林檎を食べあうことも
 花を見雲のかがやきを語りあうことも
 できなくなってしまった
 ああせめてあなたのいる天国の夢でもみよう
 あなたと一緒に天国の園でも散歩しよう
 そう思ってあなたの詩集を
 今日も枕べにおいて寝る

八木重吉氏って誰?  最初の疑問。詩を読むと「あなたの詩集」と記されています。詩人で、既に亡くなった人である。真民さんは八木重吉の詩集を介して、重吉さんと心の対話を繰り返していても、実際に会う機会がなかったのかなと感じました。

少し調べてみました。
八木重吉(1898-1927)は詩人であり英語教師 。結核により29歳で没した。 詩集『秋の瞳』(1925年)を刊行 した。 学生時代にキリスト教の洗礼を受けた人 (資料1,2)
一方、真民さんは、1909年生まれで、熊本県立玉名中学校を経て1931年に神宮皇學館を卒業。1927年に没した 八木重吉さんとは会う機会はなかったでしょうね (資料3)

八木重吉の詩集『秋の瞳』 は「序」から始まり、短詩が続きます。その中に、空と雲の絡みで言えば、次のような短詩が含まれています。 (資料4)

息を殺せ

 息を ころせ
 いきを ころせ
 あかんぼが 空を みる
 ああ 空を みる

おほぞらの こころ

 わたしよ わたしよ
 白鳥となり
 らんらんと 透きとほつて
 おほぞらを かけり
 おほぞらの うるわしいこころに ながれよう

しづかな 画家

 だれでも みてゐるな、
 わたしは ひとりぼつちで描くのだ、
 これは ひろい空 しづかな空、
 わたしのハイ・ロマンスを この空へ 描いてやらう

無造作な 雲

 無造作な くも、
 あのくものあたりへ 死にたい

大和行

 大和の国の水は こころのようにながれ
 はるばると 紀伊とのさかひの山山のつらなり、
 ああ 黄金のほそいいとにひかつて
 秋のこころが ふりそそぎます

 さとうきびの一片をかじる
 きたない子が 築地からひよつくりとびだすのもうつくしい、
 このちさく赤い花も うれしく
 しんみりと むねへしみてゆきます

 けふはからりと 天気もいいんだし
 わけもなく わたしは童話の世界をゆく、
 日は うららうららと わづかに白い雲が わき
 みかん畑には 少年の日の夢が ねむる

 皇陵や、また みささぎのうへの しづかな雲や
 追憶は はてしなく うつくしくうまれ、
 志幾の宮の 舞殿にゆかをならして そでをふる
 白衣の 神女は くちびるが 紅い

この後、「彫られた 空」「夾竹桃」「雲」「在る日の こころ」「痴弱な手」「胡蝶」「おほぞらの 水」「空が 凝視てゐる」「むなしさの 空」「こころの 船出」「追憶」「鳩が飛ぶ」「怒れる 相」「白い 雲」「春も 晩く」「ひとつの ながれ」「空と光」という短詩にも、空、あほぞら、雲が詠み込まれています。

この詩集に、 「白き響」 という短詩が含まれています。

さく、と 食へば
 さく、と くわるる この 林檎の 白き肉
 なにゆえの このあわただしさぞ
 そそくさとくひければ
 わが 鼻先きに ぬれし汁

 ああ、りんごの 白きにくにただよふ
 まさびしく 白きひびき

真民さんが「 林檎をむきあってた食べたい気がする 」との一行を記すのは、この「白き響」を連想していたのかもしれないなと感じます。

最初に、真民さんの詩集『六魚庵天国』を引用しました。参照の全詩集・第一巻の「あとがき」の冒頭には、「この天国ということばは、キリスト教でいうような天国ではなくて、今にも風に吹き飛ばされそうな小さい家に、妻と三人の子たちがいる。そこだけが天国、つまりわたしをやすらかにさせ、生きる力を与えてくれる、そういう処だという意味の天国なのである。その頃は、信仰的なものは殆どなかったので、地上の小さな天国、幸せの住み処という特別な思いをこめて名付けたのである」と記されています。
しかし、 この「八木重吉氏に」の詩では、キリスト教での天国を意味しているのでしょう

雲の変化に戻ります。
=== 2023.8.9 ===
朝、雨が降っていました 。晴れで陽が沈んだのですが、どこかの時点で雨に変化したのでしょう。
南の空
南西方向の空
                         窓際から二方向だけ撮りました。
              観測経験では、こういうグレーの布を広げたような雲のときは雨の確率が高い気がします。

南の空
南西方向の空
西方向の空
東方向の空
15時45分頃に 撮りました。その後に雨は止み、 午後はくもり空が続きました

つづく

参照資料
1) ​ 八木重吉 ​ :ウィキペディア
2) ​ 八木重吉の年譜と文学活動 ​  :「八木重吉記念館」
3) ​ 坂村真民先生プロフィール ​  :「蓮華院誕生寺」
4) ​ 秋の瞳 八木重吉 ​ :「青空文庫」

補遺
八木重吉記念館 ​ ホームページ
八木重吉 #詩 #朗読 ​  YouTube
  八木重吉の詩集【秋の瞳】より「白き響/ほそいがらす/白い枝/秋」
八木重吉/秋の瞳より7詩#朗読#詩 ​   YouTube
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こちらもご覧いただけるとうれしいです。
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Last updated  2023.08.19 15:15:55
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