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この忙しいのに、と思うこともあれば、何かやることがあるだけマシ、という気もする。荷物の半分以上が本なわけだが、ダンボール6箱分のこの紙の束をすべて消化し、自らの血肉としていれば、もう少しマシな人間になれたろうかなどと考える。最近答えの出ない問いばかり繰り返しているな。…ずっと前からですかそうですか。ということで環境を変えます。ネット開通時期は電電公社(古っ)次第ですね。休止はいたしません。ネカフェでびぅでもしてみましょう。
2005.03.28
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私ほど幸せな人間はそういないと思っている。シアワセ指数でいえば、偏差値で70はいっているのではないか。五体満足で産まれ、衣食住不自由なく育ち、十分な躾と教育を受け、まだ半人前とはいえある技術を身に付けている。普通に働けば老後まで十分に食べていけるはずだ(それまではこの国も保つだろう)。人間関係もいたって良好である。それだけではない。これまで通るべき試験にはすべて通り、得るべきものはすべて手に入れ、勝つべき勝負にはすべて勝ってきた。挫折がない訳ではないが、その挫折もないよりはあったほうがよかったと評価できるもので、とりあえず徹底的に打ちのめされるほどのショックは記憶にない(初恋のひとと自分の祖母の名前が一緒だったことに最近気づいたのがそれに近いだろうかorz)。勝つべくして勝ち、負けるべくして負けるという非常に分かりやすい、原因に対する結果を提示されて頷かざるを得ない、要するに道理に沿った人生を与えられてきた、というのが私の自信を支える大きな柱のひとつとなっている。しかし同時に、こうした流れに疑問を感じ続けてもいるのだ。「ちょっと上手くいきすぎじゃないか?」「世の中そんなに甘いもんじゃないはずだ」「もっと艱難辛苦を臥薪嘗胆で捲土重来しないと本当の意味で生きるということにはならないのではなかろうか」と、まったく贅沢な話だが、調子に乗るよりは健全だろう。逆にこの慎重さが、絶望につながる選択を未然に防いでくれているのだともいえる。このようなひねくれた思想の持ち主ゆえに、大抵の理不尽はまあこんなものかと我慢できる、というより嬉々として受け入れているフシさえある(マゾ言うな)。とはいえ、このように容認と諦観の大盤振る舞いができるのも、マイナスが自分にかかる場合のみである。『他人の不幸は蜜の味』などと誰が言いやがったのだろう。知り合いが肩を落とし、身も世もなく沈んでいる姿など、もう苦々しくて見ていられない。まあそれはつまり、「恵まれている私にアクシデントが起ころうとそれはバランスという観点からして当然のことだが、そうでない人にそれが起きるのは公正じゃない」と考えているからなのだが。自分より明らかに恵まれた人に災難が降りかかれば、ざまぁ見ろと思うだけに違いないのだ。最近なぜか自分に目を向ける機会が多いので、ささっと書いてみた次第。…明日には多分考えは変わってます。その程度のものです。
2005.03.26
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テーマ選択もいらず更新しても跡が残らないフリーページ編集バンザイ。(…何のために楽天にいるのやら…)
2005.03.23
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叫びは、大地を震わせて足元から伝わってくる。すぐに、肉色の津波が襲ってくるはずだ。はじめに筋肉のみをまとった一握りの狂戦士が。次に色とりどりの刺繍をしたマントを羽織った勇者が。最後に鎧を着込んだ大勢の怯者が続く。こちらの方形の陣から投じられた投げ槍によって先頭の戦士が斃れるのを合図に、今度は勇者が狂戦士と化し、怯者は勇気を得る。針鼠のように並べられた長槍によってマントが紅く彩られるのを見て、ついには彼方の全員が、死を恐れない最強の戦士へと完成する。せっかく着た鎧をこちらの目の前で脱ぎだす者さえあらわれる始末。赤、青、黒、白の顔料で塗られた髭面に据えられたふたつの眼は、勇と狂の境をとうに飛び越した煌きを放ってこちらを射、解き放たれた筋肉の束は咆え、叫び、撲り、蹴り、引っ掻き、踏み付け、噛み付きさえする。彼らの行く先には死だけが存在し、行き着くまでは殺し続けるという、ただそれだけのことであり、こちらは彼らがなるべく早く最期の目的地へ辿り着く手助けをする、ただそれだけのことだ。そのために兵を叱咤し、伝令を回し、陣形を整え、綻びには予備兵を投入し、別働隊を運動させる。こちらはあちらの数の五倍である。包囲し、絶え間なく攻撃し、相手の軍勢を翻弄し、犠牲を強いていけばよい。気を切らずに根気よく、だ。『タルタノス戦争記』(仮)…製作は順調に遅れています。前にもこんなこと言ってたな。ちなみに「こちら」はスレイド将軍閣下の率いる軍、「あちら」はうぉーりあーの部族兵です。……ああ、最近いい肉を食べてないなぁ。
2005.03.08
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約一時間後。「要するにですよ、一日に数回はこいつのエネルギー源であるフルリカを補給して、定期的にこのめんてなんすはっちとかいうタマゴに0.7%に薄めたフルリカバを充たしてそれに浸からせる、と。それでちゃんと働くんですね?」「そうですそうです。呑み込みが早いですね」(私が理解しないと話が進まないのだ)そこに気づくまで長くかかったものだ。「あ、ちなみに目安としては、フルリカ1リッターで0.5キロ走れるといったところです」なんだその戦車並みの燃費の悪さは。「もちろん、燃料代と金利手数料はバシャネットが全額負担いたします」(バシャネット? って何? ……いい加減突っ込むのにも飽きてきたぞ)できればもう少し我慢してほしい。「では実際に今度こそ動かしてみましょう……」長い前フリもあったものだと思いつつ、ちょっとだけ期待している面も否めない。「basha、ご挨拶なさい」ぶぅんという起動音が響き、「彼」の目がゆっくりと開いた。(また再起動みたいな展開になったら、渾身の雷を見舞ってやるからな。……覚悟しろよ)大丈夫だから。落ち着けって。頭の中の声が保証したとおり、少年は何事もなかったかのように無邪気な声をあげる。両手を腰に、右足を前に出して爪先をあげてかかとを床につくという妙なポーズまで決めて。『ボクは魔法のぱらでぃんbasha。オラクルの賢人達に創られたんだ♪』「あれ?」この、台詞は……。「お気づきになられましたか」(私が気づかないと……以下略)「そうです。あの首飾りはコミュニケーション系の試作機だったのですよ。それをここまで……並々ならぬ苦労があったものです」声が涙声になっている。『ヘッドライト・テールライト』が流れはじめてもおかしくないシチュエーションだ。「長年の技術開発の積み重ねによって、とうとう、このように歌って踊れて戦闘もできる汎用人造人間として完成したのですよっ!」歌って踊れる必要が果たしてあるのかはなはだ疑問ではある。「それだけではありません。柔軟性と強靭さを兼ね備えた特殊な繊維を採用することで、肌触りもまったく人間と同じ、一人寝の寂しさを慰めるのにこれ以上の存在はないでしょう」……はぁ?「いやいやいや、これだって♂でしょう?」「む、♀のほうがお好みでしたか」それは♂よりは♀であるに越したことはない……ってそういう問題でもない。「大丈夫です。アタッチメントを取り外せば♀としても使用可能ですよ」「Σ着脱可!?」想像してしまったではないか。てか使用可能って。「リバーシブルなのです。汎用ですから」そこに汎用性を求めるのは間違っていると思う。……オラクルというのは賢人団でなく変人団の間違いではないのか。とてつもなく大陸の将来が按じられた。大陸の未来よりもわが身を按ずるべきだったと気づいたのは、それから3日の後である。お持ち帰り(変な意味ではない)したのはいいものの、問題がイフェルス山脈なみに積み重なっている。戦闘それ自体では大変に役に立つのだが、よくよく考えればフルリカを与えてヒールしてもらっているワケで、それなら自分でフルリカを飲めばいいだけの話なのではないかという点に思いいたった。下宿に持ち込んだメンテナンスハッチも、予想以上に立てる音が大きく、下の大家から苦情が矢のように飛んでくる。ハリス氏経由でオラクルを動かして話をつけたが、何故私がこんな目にあわなければならないのか。そして何よりも途方に暮れたのが、コミュニケーションの問題である。試作機だったらしいあの首飾りから、なんら進歩がない、いや、むしろ退化しているように思われる。ムラサキノウエ方式だかなんだか知らないが、『ひょっとしてボク、しゃべりすぎ?』と一応の配慮や反省を見せるにしても、さんざしゃべくりまくった後の台詞では逆効果である。言って聞かせようにも、どうしたらいいのかわからない。子供を育てるのはかくも大変なことなのかと思い知らされ、託児所を探そうかと真剣に考えたほどだ。と、ここまでが今までの話。これまでアップデートのたびに発生するバグにも、調子を悪くするために行っているのではと疑いなくなるメンテナンスにも耐えてきたが、さすがに我慢の限界だ。βテスト期間の終わりが近づいている。正式サービスに移行したら、普段マナポSで我慢している私にとっては殺人的な出費が課されるだけでなく、サポートも手のひらを返したように悪くなるに決まってるのだ。根拠はないが、そんな気がする。……間違いない。万事窮した私は、この出来損ないを何とかして他人に押し付ける算段を考え始めた。とりあえず、「壊れロボット系ショタパラ萌えー」な人でなければ誰でもいいのだが(むしろそんな人が回りにいないことを望む)。できればアクが強いくらいに自分を持っていて、ちゃんと面倒を見てくれる大人が望ましい。(ふむ)私は密かにマスター設定を変更すべく、夕暮れの道を下宿へと歩きはじめた。――おしまい。……余談だが。最近「アタッチメントを取り外」すことはできないことが判明した。結局担がれていたらしい。どのような経緯でそれを知ったかについては……どうか聞かないで欲しい。orz
2005.03.04
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(軽い話にするつもりがナゼか長くなってしまい。嗚呼『冗長』という熟語が頭に浮かぶ)その後、かなり長く待たされた。ハリス氏は修理に夢中で、どこからかコードレスのキーボードを持ち出してカチャカチャ言わせながら、くらっしゅがどうとか、おぺれーしょんしすてむのさいいんすとーるがどうとかブツブツつぶやいていたが、何のことだかさっぱり理解できない。そもそも、コードレスのキーボード、の意味が私にはわからない。……あの長方形の板のことだろうか。わかったのは液体の中で栗色に見えていた髪は自然光のもとではもっと明るく、橙色が入っているようにも見えるということ。また、近くで見る顔は整いすぎるということもなく、皓い肌には静脈の流れも浮き出ているのも見えた。どこからどう見ても、どこにでもいる少年にしか見えない。これが、本当に作り物なのか。……担がれているのではないか?「ちょっと、手伝って、ください。これを、立たせ、ますから」どうやら修理は一応終わったらしい。恐る恐る近づいて、片側の脇に手を差し入れる。温かく、やわらかい。いつ着せたのか、少し大きめのシャツに半ズボンを穿いている。とりあえずそのことにひどく安心してしまった。「やれやれ……平衡系に改善の余地あり、ですね」賢者は立ち上がり、額の汗をぬぐうのと辛そうに腰を伸ばすのを同時に行った。立った姿勢で目をつぶったまま、再びそれは声をあげた。先ほどの声とは明らかに異質な、機械的な声である。むぅ。『basha ver.4.649 再せっとあっぷヲ開始シマス……』「ちょうどいい。あなたをマスターとして登録してみましょう」「え?」そんな話、聞いてないぞ。「もともとそのつもりで呼んだのですよ。いろいろな方にテスターとしてご協力をお願いしておりましてね。β期間の間は無料でプレイできます」なんだプレイって。……それよりも、「ちょっと待ってください。なんですか、マスターって?」「あぁ、説明がまだでしたね。このbashaは『エウノキサラム方式』を採用しておりまして、普段の生活・冒険を通して『マスター』に設定された人物の思考・行動のパターンを学習し、その人の好みに適合するよう、自身を最適化させていくのです。万人に好かれる統一基準を作るのは至難ですから、一人一人に対応できる柔軟性を持たせているわけで」わかったような、わからないような。「さてさて、はじめますよ」抑揚のない機械音声が流れはじめる。『利用規約 第一条 序文 basha ver.4.649ハ株式会社おらくる(以下、当社トイイマス。)ガくろのす大陸上デ提供スr「同意、と」そういうのはちゃんと使用者本人が理解しなければならないのではないだろうか。まあ、普段ろくに読んでないんだけど。「えぇと、マスターの情報は、と……バフォラート……男性……魔術師……××大学神学部修士課程を中途退学……住所不定……好物は切干大根にニラレバ炒め……好みはぶっちゃけどっちかって言うと年上の女性……」「Σちょっと、なんであなたがそんなことを知ってるんすか!?」声に応えたのは機械のほうだった。『声紋ヲ認識シマシタ』「ふふ……オラクルの情報収集能力を甘く見てはなりません。……さて、bashaのほうのカスタマイズに移りましょうか」「はぁ」もう何を言っても無駄だ、というあきらめの心境になりつつある。「さて、あなたは冒険に出るに際して、出会いと別れの酒場で同行者を一人選ぶならどんなタイプの方にしますか?」急転直下難しい質問。「そうですねぇ……」停止していた思考が少しずつ動き出し真っ先に浮かんだのは、騎士でありながら杖を振るって仲間を援け、瀕死の重傷も一瞬のうちに癒してしまうという、大陸に住むものなら誰でも知っているあの英雄の姿である。自分のイメージを告げると、賢者はやはりかと言わんばかりに口許をほころばせた。「なるほど。そのタイプを求める方は、えぇ、多くいらっしゃいますよ。聖騎士で装備分のSTRを確保して残りをINTにつぎ込み、ヒール1振りで消費を抑える、これでよし」ふむ、なんだか期待できそうだ。STRやらINTというのが何を意味しているのか分からないが。きっと何かの数値なのだろう。「では最後に、オプション設定に参りますが。まずはマスターの呼び方ですね。順番に言わせていきますので、気に入ったものを選んでください。いきますよ」ハリス氏の言葉を合図に、先ほどとは異なる若々しく元気のいい声が響いた。『マスター!』ふむふむ、これがデフォルトなワケか。『お師匠さまっ』なるほど、でも師弟ってのも仰々しいよね。『ご主人さまぁ♪』何故に音符か。これはちょっとなぁ。『おにいty「いやいやいや」……冗談じゃない。機械と義兄弟の契りでも交わせというのかっ。その後、「10億クロあったら何に使う?」といった妙な質問をされたり、「これが何に見えますか?」と言われて紙にたらしたインクの染みを見せられたりした。いったい何の役に立つのか……。(何かおかしい。どうかしている)後になって思えば、もう少し早く↑の感想を持つべきだったように思う。(今度こそ後編へ続く。しかし、公開していいもんかな? アレ……。)
2005.03.03
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「ナンデスカ、これは……」そう問いただすしかないモノが、目の前にあった。錬金術師の用いる「哲学者の卵」に似ているが、大きさが卵などというレベルを軽く超えている。その透明な容器の中に、薄紫の液体が充たされ、栗色の髪をした少年が立ったまま浸されている。なぜ少年とわかるかといえば、彼が一糸まとわぬ姿だったので、見えたのだ。……何がとか訊くな。歳のころなら14・15だろうか。全体的に男性的な線がまだはっきりとは表れず、あどけなさが残る。……何の描写をしているのだ。私は。「見てわかりませんか」白髪の老人は容器から視線を動かさず、いかにもその光景が満足という様子でつぶやいた。(見てわからないから訊いているのだ)このドデカ卵とその中身、それ自体奇妙不可思議だが、それを自室に(しかもアリクイの剥製の隣に堂々と)おいているかつてのわが師、ハリス氏もまた異様である。この老人まさか、いたいけな子供を部屋に連れ込んで……「何かよからぬ想像をしておるようですが」なぜか焦ってしまった。「これは人造人間です」「人造人間?」10万馬力でどら焼きが大好きで二本の操縦桿で動かす機械人形が頭に浮かんだ。これがそうだというのか?「bashaと呼んでいます。Beginner's All-purpose Support Humanoid なんちゃらの略です」(なんちゃらって……中途半端な設定ならないほうがマシだと思うのだが)余計なお世話だ、とどこからか声がしたような気がする。「我々……オラクルの賢者たちの叡智を結集し、長い間をかけて創り上げたものなのですよ」オラクルといえば、コエリス陣営における最高意思決定機関である。「どうしてそんなものを?」「ふむ……アクモディウムとの永き戦いの歴史において、コエリス教徒がアリエヌス三神、ウォリアー族、バルキリーといった、多くの新しい勢力の助力を得て勝利してきたのはご存知でしょう。今、シドスという脅威に対抗するためには、また新たな戦力を投入することが必要と考えたのです」「とするとつまり、これは人型の兵器なのですか?」ハリス氏は白い眉を少しひそめた。「一概にそうとも言い切れませんが……。悲しいことに有用な新技術とはえてして、まず軍事用として完成されるものです」「……」「今兵器とおっしゃいましたが、これ自身が武器となるということではないのですよ。人間と同じ武器を扱い、魔法を唱えて戦うことができるだけでなく、人間よりはるかに耐久力にすぐれ、疲れを知らず、また命令には逆らわず、従順でかつ勇敢です」「そんな都合のいいものが……現実に存在するとは……」にわかには信じがたい。「とまどうのも無理はありません。これまでの我々の技術水準をはるかに超えた代物ですからね。しかし、実際にこれが動いているのを見れば、考えも変わるでしょう」一息ついて、賢者はおごそかに語りかけた。「起きなさい、basha」物音ひとつない部屋にぶぅんという起動音が響き、「彼」の目がゆっくりと開いた。「おぉ……」思わず声が漏れる。「彼」は容器のふちに手をかけ、透明なカベを乗り越えにかかった。『よいしょっと』すげぇ、しゃべったぞ……って、あぶなごっ乗り越えた途端、バランスを崩した彼は頭から落下し、目を回してひっくり返った。……大丈夫なのか、コイツ。(後編へ続く)
2005.03.02
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>要するにB氏は、「何かをすれば失敗する、ならば何もしなければよい」という考え前回の記事を書いて以来、どうしてこうもヘタれた人間に成り下がったのかとつらつらおもんみるに、一人の人間がもう一人に対して与えうる影響というのは思ったより大きいものだな、と。「あの方」は私に唯一(こいつには敵わない)と思わせた存在であり、また(敵わなくてもいい)と思わせた存在でもあり。あの方がカバーする領域(それがまたとんでもなく広い)にいる限り私は足元にひれ伏さなければならず、私は這いずり回りながら自分が拠って立つ場所を探さねばならなかった。そのおかげで、現在私はここにある。別に五体を投げ出して全面降伏するのも特に苦痛ではなかったのだが、自力で立たずして何の男だろう。余計なものなのかもしれないが、その程度の気概はあったのだ。ほぼ何でもできるあの方になんとか伍そうといろいろとやってはみたものの、あの方のように障害を怖れず目標に向かって突き進むのをためらい、別の道を探すうちにあの方の後ろ姿ははるか先を進んでいる。そんなことを繰り返してきた。藪を通らずに山頂を目指すのはむずかしいものだということに遅まきながら気づき、私なりに頑張って追いついて、そして、そこで見たのは満身創痍のあの方の姿であり、傷口からのぞく途方もない深遠だった。それは虚無ではなく、数え切れないほどの有が積み重なり、混ざり合い、溶け合いしてできた混沌で。無限とでも称するべきだろうか。結果私は恐れをなし、歩むのを止め、あの方はまた進んで行った。傷つきながらも必死で何かを為そうとする人の姿は美しい。その道すがら、一人でも手を差し伸べてくれる存在があれば、その人の人生は幸せだといえるだろう。かつての自分にそれができなかったことを、憾みに思わないでもない。
2005.03.01
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