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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.05.09
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カテゴリ: その他

 しかも、著者は、あの平野啓一郎さん。
 (と言いながら、私は、彼の作品を一遍も読んだことがない……)
 最近、読書ペースが少々上がり過ぎの私に、ブレーキをかける一冊となるか?

 まず、速読に関する記述については、
 「やっぱり、そうだよなぁ」と大いに納得させられた。
 文字でなく画像として捉える ~ そんな神業的読書が本当に可能なものかと
 大いに疑念を抱いていた私に、明快な回答を与えてくれた。

また、国語のテストの受け方についても、大いに納得。

  国語のテストをスロー・リーディングするとするなら、作者とは誰だろうか?
  先の例で言えば、決して本文の作者である小林秀雄ではない。
  当然のことだが、問題制作者である。
  学校の国語の教師、予備校の模試制作者、大学の入試制作者などである。
  そこで、あるときから私は、本文と設問とを一続きの文章として読むことにした。
  本文として小林秀雄の文章があり、
  それを読解することが、設問を通じて求められているというのではなく、
  問題制作者が、小林秀雄を引用しながら彼の主張をしている、と発想を転換したのである。
  これに気がついてから、私の国語のテストの成績は、瞬く間に上昇した。(p.30)

これは、大いなる真理である。
さらに続く文章も、まさにこの世の全てに通じている。

  こうしてまず第一に、相手の主張を正確に理解するクセをつけておけば、
  社会に出て議論しなければならない状況に置かれても、冷静に対処が出来るからである。
  まずは、どんなにおかしな主張だと思っても、
  じっと我慢して、相手の発言をスロー・リーディングする。
  そして、自分に発言の機会がめぐってきたならば、
  反論する前に、まずは -テストで培った能力を生かし(!)-
  「つまり、こういうことですね」と、相手の主張を丁寧に要約し、
  余裕があるならば、その不完全なところまで補ってやる。
  その際に、「今のは非常に重要なご指摘です」などと、一言付け加えておけば角も立たない。
  (中略)
  そうすれば、単なる粗野な、闇雲な反論者というのではなく、相手にも、また傍目にも、
  本当の意味で聡明な人として尊敬を集めることであろう(p.32)

このような姿勢は、「速読」からは、決して生まれてこない。
ここまで読み進めただけで、私は、著者の世界に、すっかり引きこまれてしまった。
ただし、その後に示された、スロー・リーディングのテクニックについては、
国語の授業で学ぶ「基本的な文章の読み方」に過ぎないかな、とも思ったが。

それに比べると、第3章の「古今のテクストを読む」は実践編であり、たいへん面白かった。
漱石も鴎外も、そして三島も面白かったが、私が特に興味を持ったのはカフカである。
それは、私にとって未知の分野であり、「?」の世界だったから。
著者は、そんな私を、見事に「カフカの世界」へと導いてくれた。

今度、カフカを読んでみよう。





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Last updated  2009.05.09 14:22:07
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