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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.09.24
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カテゴリ: 文芸

 主人公が「君」に話しかける形態を取りながらストーリーが展開する。
 その内容は、一人の男子高校生が成績不振で学校を追われることになり、
 寮を飛び出してから、ニューヨークの街を数日に渡り彷徨う姿を描いたもの。

 そのぶっきらぼうな語り口や、自暴自棄とも言える行動ぶりは、
 色んな意味で、かなり追い詰められた思春期の男子を想像させる。
 家庭そのものは裕福でありながら、自己肯定観は極めて低い。 
 その鬱屈ぶりは痛々しく、もの悲しくさえある。

そして、本著の肝は主人公のホールデンがこっそりと自宅に戻り、
愛すべき妹・フィビーに語りかけているシーン。

  「でもとにかくさ、ただっぴろいライ麦畑みたいなところで、
   小さな子どもたちがいっぱい集まって何かのゲームをしているところを、
   僕はいつも思い浮かべちまうんだ。
   何千人もの子どもたちがいるんだけど、ほかには誰もいない。
   つまりちゃんとした大人みたいなのは一人もいないんだよ。僕のほかにはね。
   それで僕はそのへんのクレイジーな崖っぷちに立っているわけさ。
   で、僕がそこで何をするかっていうとさ、
   誰かその崖から落ちそうになる子どもがいると、かたっぱしからつかまえるんだよ。
   つまりさ、よく前を見ないで崖の方に走っていく子どもなんかがいたら、
   どっからともなく現れて、その子をさっとキャッチするんだ。
   そういうのを朝から晩までずっとやっている。
   ライ麦畑のキャッチャー、僕はただそういうものになりたいんだ。
   たしかにかなりへんてこだとは思うけど、僕が心からなりたいと思うのはそれくらいだよ。
   かなりへんてこだとはわかっているんだけどね。」(p.292)

これを語っているとき、彼は正気だったのか、それとも酔っていたのか?
その言葉はいつもの冗談なのか、それとも正真正銘の本気・本音なのか?
主人公が現在の自分をどう受け止め、その将来に何を求めているのかを掴むべき所だけに、
善意で解釈すれば、まだまだ彼の未来には期待が持てそうとも感じるが……
(この言葉、一般的にはどう解釈されているのだろう?)

さて、本著で最も残念だったのは最終ページのこの告知。

  本著には訳者の解説が加えられる予定でしたが、原著者の要請により、
  また契約の条項に基づきそれが不可能となりました。
  残念ですが、ご理解いただければ幸甚です。  訳者

現著者のサリンジャーは1919年1月1日生まれの90歳。
村上さんが解説を書くということについて、どういう考えを持ったのだろう?
ひょっとして、サリンジャー作品も村上作品と同じように、
一切「解説」というものがないのだろうか?

どっちにしろ、村上さんの解説が読めないのはとても残念だと思っていたら、
良いものを発見しました。
「村上春樹・柴田元幸『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を語る」 というサイトです。
出版元の白水社も、なかなかやるなぁ!





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Last updated  2009.09.24 18:36:09
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