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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
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Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
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Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2013.05.03
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カテゴリ: 経済・ビジネス
『「世界征服」は可能か?』
 これが、私が読んだことのある岡田さんの唯一の著書。
 『いつまでもデブと思うなよ』等々、世に知られるものは他にあるものの、
 私は、それらを読んだことがない。

 それに対し、内田先生の著書は、結構読んできた。
『下流志向』 を読んで、衝撃を受けて以来、
 最近読んだ 『昭和のエートス』 まで、その数は30に迫り、
 我が家の書棚における占有率は、かなり高い。

そして本著は、そんな岡田さんと内田先生が、
2011年9月に、とあるレストランで行った対談をまとめたものである。
まえがきには、「内田樹ファンの内田斗司夫が、内田さんに直に話を聞く機会を得て、
大はしゃぎでいろんなことを聞くという内容になっています」とある。

  イワシって小さい魚だから、普段は巨大な群れになって泳いでいる。
  どこにも中心がいないんだけれども、うまくまとまっている。自由に泳いでいる。
  これは見事に、いまの日本人なのではないかと。
  そのときの流行とか、その場限りの流れだけがあって、
  価値の中心みたいなものがなくなっているんじゃないかと思いますね。(p.24)

対談開始早々の、この「イワシ化」についての岡田さんの発言には、
「なるほど!」と唸らされ、以後のお話しの展開に、俄然期待が高まった。
しかし、残念ながら、それ以後については、私の心に引っかかる発言は、ほとんどなく、
付箋を貼ったのは、次の一言を除いては、内田先生の発言ばかりになってしまった。

  ぼくも講演会で「どうやれば決断力が身につきますか」って聞かれたときに、
  「決断を迫られてるのはもう負け戦だから」って答えています(笑)。(p.198)

さて、それでは、内田先生の言葉の中で、印象に残ったものをご紹介。
まずは、これ。

  よく一九六〇年代高度成長の時代、日本社会は希望にあふれていました、
  なんてことしらじらと言うけど、あれは嘘だよ。(中略)
  いつ核戦争が起きて、世界が滅びるのかということが当時の日本人にとって、
  いちばん切実な心配事だったんだ。ほんとだよ。(p.53)

そう、当時はまだ茶の間で、戦時中のことや東西冷戦のことがよく話題になり、
私も子供心に、また戦争が始まったらどうしようと、真剣に心配していたのだった。

  親族を解体し、地域共同体を解体し、終身雇用の企業のような中間共同体も解体して、
  最終的にみんな孤独になってしまったのは、
  「ひとりでも生きていける」くらいに社会が豊かで安全になったからです。(p.103)

しかし、こんな状況は歴史的に見ても例外的なもので、
もう、そんなのんびりした時代は終わってしまったという、内田先生の発言には納得。

  家族制度の基本て身体性でしょ。
  だから、テクノロジーの進化とはあんまり関係ないと思う。
  とりあえず、同じ空間に寝起きして、「同じ釜の飯」を食う。
  「おはよう」「おやすみ」「いただきます」「ごちそうさま」
  「いってきます」「いってらっしゃい」「ただいま」「おかえり」
  その八語を家族全員が適切なタイミングできちんと口にできるだけで、
  家族制度は十分持つと思うけど。(p.111)

  だから、いろんな教育理念があって、いろんな教育方法があって、
  いろんなタイプの先生が同時並行的に子供の前に立っているという環境が
  学校教育には不可欠なんです。(p.134)

  学校教育の必要条件は「気長に待つ」ということ、極論すればそれだけなんです。
  それこそ二十年待つ、三十年待つ、という忍耐力がなければ教育は成り立たない。(中略)
  いまの日本の大人たちにかけているのは、若い人たちの成長を「気長に待つ」と言う姿勢です。
  忍耐と敬意ですね。それが足りない。(p.218)

本著全体を通じて、岡田さんと内田先生の意見が食い違う場面は結構い多い。
そのやりとりを見ていると、二人の格や質の違いを感じてしまう。
そして、その中で強く感じるのは、内田先生は教育者であり、
岡田さんは、当然のことながら、そうではないということ。

それでは、最後のシメの一言を。

  競争社会では、人間はそういうふうに
  「誰が見てもすぐに優劣がわかる能力」を基準に格付けされる。
  でも、人間の能力の九十%は「外見からだけではわからない」ものなんです。
  さっき「生物としての強さ」ということを言いましたけれど、
  「なんでも食べられる」とか「どこでも寝られる」とか
  「誰とでも友だちになれる」というのは、
  生き延びるためにきわめて重要な能力ですけれど、数値的には示せない。
  そもそも人と比べるものじゃない。(中略)
  若者がいま閉塞感を感じているというのは、
  文字通り「閉じ込められている」という身体実感があるからじゃないかと思います。
  外側だけしか見られていない。
  学歴とか資格とか免状とかTOEICのスコアとかいう外形的な情報だけで
  中身を計量されていることにつよい身体的な不快を感じているんじゃないかな。(p.221) 





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Last updated  2013.05.03 16:45:52
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