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2014.10.25
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 著者は 『定年後のリアル』 の勢古浩爾さん。
 私は、勢古さんの本を読んで、 佐野さんを知り
佐野さんの本を読んで 、親子関係というものを改めて考えさせられた。

 そして、勢古さんの親子関係についても知りたくなり、
 本著を読むことにした。
 そこには、佐野さんとは随分違った親子関係があった。
 当たり前のことだけれど。

   ***

  子どもにとって親とは、一個の名前で呼ばれる全人格的存在ではない。
  職業や役職や友人の数といった社会性などどうでもよく、
  出世欲も性欲も見栄も保身も卑怯も自己顕示も小心も皮肉も姑息も傲慢も、
  父と母のなかには見たくないのである。
  だから子どもは父と母以外の側面を見いだすと反発するのではないか。
  むろん、これは子どもの勝手なのだが、元々子どもとはそういうものである。
  現実の父と母は卑小である。
  実際に父親や母親になってみるまでもない。
  たいていの人間は卑小である。
  そんな人間が父や母になったからといって、とたんに偉大になるわけがないのである。
  父と母は自分に自信のないものである。
  世俗にまみれた者である。
  ここでもまた、死んで初めて、父と母は「大いなる存在」になるのである。
  存在としては卑小であっても、子どもへの慈愛はほんものだったからである。(p.31)

これを読んだら、佐野さんだったら何と言うのだろう。
特に最後の一文について、コメントを聞いてみたかった。

  親は子ども時代を経験しているのに、子どもの心がわからなくなる。
  時代も社会もまったく違ってしまうからだ。
  しかしそれ以上に、子どもに親の心はわからない。
  親になってみないと、親の気持ちは絶対にわからない。
  「絶対に」である。
  むろん、親の心は理解されなくてもいいのだが、
  丸山健二の父親がちょっぴり可哀そうである。(p.90)

丸山健二さんは、小説家である。
丸山さんは、危篤の父親に訊きたいことがあったという。

  こんな最悪の状態に陥ってしまっても、
  拷問部屋のような集中治療室に閉じ込められて
  白い天井を眺めているだけの体になってしまっても、
  まだ生きていたいのかという質問がそれだった。(p.87)

そして、実際に訊いたのだそうだ。

  立ち上がり、すぐ側まで近づき、今度はもっと露骨な言い方で、
  死にたいのか生きたいのかという二者択一を迫る質問を浴びせた。(略)
  『死にたくない』と、父はそう言った。(p.88)

丸山さんは、葬式が終わるか終わらないうちに、さっさと自分の生活に戻り、
一日も無駄にせず、せっせと小説を書き続けねばならないと思ったそうである。
丸山さんと父親との関係の詳細は、本著からは分からない。
しかし、父親も可哀想だが、丸山さんも可哀想だなと、私は思った。

  たとえ親にどんなことをしてやっても、
  『後悔しないために』などできるわけがないのである。
  子どもに注いでくれた愛情としてくれたことの総量に、
  子どもがなにをどのようにしても敵うものではないからである。(p.97)

丸山さんは、こんな文章を書くことが出来ないまま、人生を終えてしまうのだろう。
それを、私は可哀想と思うのだが、
丸山さんからすると、余計なお世話だということになるのだろう。
親子関係にも、色々ある。

  男というものは、それぞれの身分と暮らしに応じ、
  物を食べ、眠り、かぐわしくもやわらかな女体を抱き……
  こうしたことが、とどこおりなく享受できうれば、それでよい。
  いかにあがいてみても人は……
  つまるところ男の一生は、それ以上のものではない。
  人にとって、まこと大切なるは天下の大事ではのうて、わが家の小事なのじゃ。(p.186)

本著に引用された、池波正太郎著『さむらい物語』の一節である。
こんな言葉を、口にすることが出来るようになれれば良いなと、私は思っている。





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Last updated  2014.10.25 11:30:37
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