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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2014.11.22
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『軽症うつ病』 の笠原嘉先生の自伝。
 副題は「二十世紀から二十一世紀の六十年を医師として生きて」。
 先生の歩みは、日本の精神科の歩みそのもの。
 先生の歩みを知ることで、日本の精神科の歩みを知ることが出来る。

 昭和30年~40年代の、精神病院新設ラッシュによる病床数激増。
 そして、脳に作用する本格的薬物療法開始と外来患者の増加。
 昭和60年前後からは、街角診療所スタイルの精神科が登場し、
 精神障害が軽症化すると共に、世間の偏見も大幅に減少した。

このような大きな時代の動きの中で、
先生が、どのように精神科というものと向きあってきたか、
そして、どれほど大きな足跡を残されてきたか、
それが、目次のページを見るだけで、よく分かる。

  第1章 医学生の精神科医という職業選択 - 逡巡と決断
  第2章 新人医師生活 - 病棟の重症患者に出会い、ショックを受ける。
      それまで心酔していた精神分析では通じないと覚る
  第3章 大阪ミナミ体験。鬼軍曹(?)的な講師から、
      神経学の初歩とヤスパース「精神病理学総論」と両方を仕込まれる
  第4章 母校へ帰り新任教授の下で精神病理学(精神医学的心理学)を専攻する。
      分裂病発病の際の心因論的側面というテーマをもらい難渋する
  第5章 薬物療法の時代始まる - それまで病棟でじっとしていた統合失調症の人が
      動きだし、会話が可能になり、コンタクトがとれるようになる。
      うつ病の外来患者が増える。うつ病の病前性格研究おこる
  第6章 神経内科という診療科が独立し神経精神医学から神経学の比重が減る。
      それとともに、本来の「精神医学とは何か」をより真剣に問うようになる
  第7章 診療体制の変化が生じる - 1950年制定の精神衛生法の影響が徐々に出始める。
      私立精神科病院が全国に多数設立され、病床数が3万から30万に激増する
  第8章 新設の大学保健センターへの配置転換。
      大学生のクランケをたくさん診る
  第9章 全国区規模の大学紛争に出会う。全学のそれがおさまった後にも
      医学部には長々と残った - 反精神医学に関心をもつ
  第10章 欧州風の精神医学的人間学に魅かれ、自分でも試みに一、二論文を書いてみる。
      二十世紀の精神病理学の一特徴と思う。
      しかし自分には合わないと思い、手を引いた
  第11章 留学の不首尾。代償として短期間の外国研究所滞在を何度かする。
      彼我の臨床学に微妙な差のあることを痛感する
  第12章 研究の軌跡 -
      いつとなく健康保険下で行われる「日本の診察室での臨床研究」を
      自分の業と定める
  第13章 入局二十年目にして名古屋大学教授に配置転換 -
      その1972年以来今日まで四十年を名古屋で過ごす。住みよい街で、
      その上皆がよくしてくれる。第二の故郷になった。
  第14章 自己流の外来精神医学の試みを「うつ病」をモデルにしておそるおそる始めた
  第15章 産業立県の趣の強い愛知県にきてはじめて大企業の産業精神保健に関わる
  第16章 「役に立ちたい」という生来のお節介が出て、啓発書をいくつも書き、
      必ずしもこのましからぬ「出版精神医学」の台頭に加担する
  第17章 米国からDSM-IIIという“黒船”来る。
      この公衆衛生学的精神医学によって明治以来の欧州風の精神病理学は駆逐される。
      国立大学を定年退官し、その後数年間私立医大を経験する
  第18章 予期しなかった成行から、日本精神神経学会理事会に
      六年間関係する(1988~1994年)
  第19章 七十歳にして、縁あって街角の外来クリニック二就職。
      以来十四年を診察一筋にすごす。私にはこの仕事が合っていた!
  第20章 薬物療法がベースになった今こそ、それを補完する
      「日本に合った」小精神療法を提案したい
  終 章 二十世紀におこった精神病理学は後世に何を残せるか。
      二十世紀後半におこった米国のDSM精神医学の「次には」
      どういう精神医学がくるのだろうか

一般向けの啓発書ではないので、価格もお安くはないのだが、
一読の価値が大いにある一冊である。





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Last updated  2014.11.22 12:06:49
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