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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2015.08.09
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カテゴリ: 文芸

 しかし、天の邪鬼な私は、第148回直木賞受賞作の本著を読んでみた。
 と言うのは冗談で、昨年、私の身近に「就活」をした人がいたため、
 「就活」をテーマにした、この作品にとても興味を持ったからである。

 この作品は、「就活」と、そこに絡む「SNS」をテーマにしている。
 それ故、人間模様の奥行きや深さについては、やや朝井……じゃなくて浅い。
 しかし、そこに漂う未成熟さや青臭さ、葛藤というものに、
 多くの人たちが共感するのも、確かだろう。 

  たくさんの人間が同じスーツを着て、同じようなことを訊かれ同じようなことを喋る。
  確かにそれは個々の意志のない大きな流れに見えるかもしれない。
  だけどそれは、「就職活動をする」という決断をした人たちひとりひとりの集まりなのだ。
  自分はアーティストや起業家にはきっともうなれない。
  だけど就職活動をして企業に入れば、また違った形の「何者」かになれるのかもしれない。
  そんな小さな希望をもとに大きな決断を下したひとりひとりが、
  同じスーツを着て同じような面接に臨んでいるだけだ。(p.74)

これからも自分探しの旅を続けるのか、
それとも、ここで踏ん切りを付けて、現実にとび込んでいくのか。
それは、特別な時代に生まれ、特別な環境下に育った者だけに与えられる選択肢。
それでも、当事者となった若者は、大いに迷い、大いに苦しむ。

  いくらこちらから願い下げだったとしても、最終的に選ばれなかったということは、
  そこまで選ばれていたのに決定的に足りない何かがあったというふうに感じてしまう。
  ESや筆記試験で落ちるのと、面接で落ちるのとではダメージの種類が違う。
  決定的な理由があるはずなのに、それが何なのかわからないのだ。
  これまでの人生で何度も経験してきた試験のように、
  数学ができなかったから、とか、作文で時間が足りなくなったから、とか、
  そんな分析すらさせてもらえない。
  就職活動において怖いのは、そこだと思う。
  確固たるものさしがない。
  ミスが見えないから、その理由がわからない。
  自分がいま、集団の中でどれくらいの位置にいるかがわからない。
  面接が進んでいく中で人数が減っていき、自分の順位が炙り出されそうになったところで、
  また振り出しに戻ってしまう。
  マラソンと違って最初からゴールが定められているわけではないから、
  ペース配分を考えるなんていう頭脳戦にも持ち込めない。
  クールを装うには安心材料がなさすぎるのだ。
  だから、その中でむりやりクールを装うとすると、間違った方向に進んでしまうことになる。
  説明会で自分だけ私服だったことをアピールしてみたり、
  就活という制度そのものを批判することで、
  個性とか、夢とか、そういう大きな話への転換を試みてみたり。(p.155)

これは、ES(エントリーシート)を何枚も作製したり、WEB上でテストを受験したり、
何度も何度も厭になるほど就職試験に落ち続けた世代の者にしか書けない文章だと思う。
だから、これで最後まで突っ走って欲しかった。
SNSと絡めたことは、現代っぽさは出たけれど、底の浅い話になってしまった気がする。





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Last updated  2015.08.09 10:25:54
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