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Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2016.05.01
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カテゴリ: 社会・政治・時事

 本著を先に読んでおいた方が良いのではないかと思い、読んでみました。
 高校の生物レベルの知識しか持ち合わせていない私には、かなり手強い一冊。
 新聞記者さんが書いたものなのに、スラスラとは読み進められませんでした。

 しかしこの文章は、マスメディアの一員であり、
 この問題の世論形成に深く関与した方が書いたものだということは、
 読んでいて、あちこちで強く意識させられました。
 持ち上げるだけ持ち上げ、一気に落として完膚なく叩きのめす風潮の源。

  断定的に、若山の理解=正しい(正義)、小保方=間違い(悪)、
  という構図を言うのは、あまりにもナンセンスではないでしょうか?(中略)
  その二人の間の意思の疎通の悪さ、ミスコミュニケーションを含め、
  ラボのdisucussion(※議論)テーブルで話すべきことで、
  公共放送でこの扱いは全くおかしな話だと思いました。
  かなり作為的な決めつけや断定が、若山さんなのか、その周囲なのか、
  メディアなのかわかりませんが、本来の検証の枠を超えた場外乱闘で、
  ヒールを仕立てているような不気味さを否めません。(p.132)

後に自死に至った笹井氏から、筆者に送られたメールです。
当事者としては、率直な思いが述べられていると感じました。

  会見は二時間半に及んだ。
  小保方氏は「私は学生の頃からいろんな研究室を渡り歩き、
  研究の仕方が自己流で走ってきてしまった。
  本当に不勉強で、未熟で、情けなく思っている」と声を詰まらせた一方で、
  研究成果の真偽については、「STAP細胞はあります」と言い切り、(以下略)(p.174)

とても有名になってしまったシーンですが、
やはり「自己流で走ってきてしまった」という部分については、
とても不思議で、違和感を感じざるを得ません。
それで、博士論文って通るものなのでしょうか?

  「だって、『トカゲのしっぽ切り』をするには最も好都合なデータでしょう。
   世間の多くの人はまだ、『小保方さんは未熟な研究者だけど、
   それほど悪質なことはできない』と見ている。
   『はしゃいでことを大きくしてしまったのは理研なのに、
   彼女にすべての責任を押しつけようとしている』と同情的に見ているわけだ。
   でもこの結果から素直に考えると、彼女が実は悪質だったということになる。
   『ES細胞と非常によく似ているけど、ちょっと違うものを作る』という
   明確な意図が感じられるからね。
   もっとも、彼女が一人でこんなことを思いつくかな、という疑問もわくけど」(p.264)

これは理研の内部資料を見て、ある国立大学教授が述べた言葉。
あの頃の世間の状況を、かなり的確に表した言葉のような気がします。
しかし、こういうものが出回り、取材の材料となっていることの方に、
驚かされたというのが、本当のところです。

  「若山さんは専門分野が違うので分子生物学的なデータが分からず、
   小保方さんの実験結果を分子生物学的な観点から検証するという意識がそもそもなかった。
   笹井さんも、かつて議論をして感じたことだが、
   多機能性幹細胞から神経を作るのはプロでも、多機能性幹細胞そのものには興味がない。
   そういうこともあって、
   おそらく小保方さんのデータの不自然さに気付かなかったのではないか。
   さらにiPS細胞への対抗意識などもあったために予断があり、
   検証しようという意識にも欠けたのでは。
   丹羽さんはきっと、笹井さんとの力関係から、
   笹井さんがよしとするものに何も言うことができなかった。
   笹井さんは押しが強いのでね」(p.283)

これは、そうそうたる顔ぶれの共著者たちが、
なぜ論文発表前に、それが持つ危うさに気付けなかったのかという著者の問いに、
CDP出身のある研究者が答えたもので、なるほどなと、素直に納得できるものです。
そして、この研究者は次のようにも述べています。

  「そもそも(2007年に登場した)山中(伸弥)さんのiPS細胞が、
   当時の常識からすると信じられない、すごい成果だった。
   こんなことあるのかと、科学者がみな打ちのめされた。
   だから今回も、あり得ないことだが、
   あり得ないことが起きても不思議はない、という空気はあった。
   そんなばかな、ということにはならなかった」

これも頷ける内容だと思います。
若山さんも、笹井さんも、丹羽さんも、素直に信じていたのでしょう。
しかし、ネイチャー、セル、サイエンスに論文を連続投稿し、連続不採択。
そして、その際の査読コメントに書かれた問題点や疑問点、改良案は生かされませんでした。

  だが、調査委員会によれば、
  当の小保方氏はサイエンスの査読コメントについてこう説明したという。
  「精査しておらず、その具体的内容についての認識はない」(p.308)

これが、私が本著を読んでいる中で、最もブラックだと感じた部分です。
それでは、いよいよ『あの日』を読むことにしましょう。  





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Last updated  2016.05.18 00:24:21
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