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kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2020.01.05
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​ 副題は「関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」。
 著者は、ナイツの塙宣之さん。
 昨年8月に発行されたものですが、「なるほど」と思わされる記述が多く、
 本著を読むことで、昨年末のM-1の結果を、より納得することが出来ました。

   ***

  そもそもM-1は吉本がお金を出し、吉本が立ち上げたイベントです。
  いわば吉本が所属芸人のために設えた発表会なのです。(中略)
  本来、僕らはM-1の階段を上れるだけでも幸せなんです。
  卑屈になる必要はまったくありませんが、
  非吉本芸人は、不利を承知で敵地に乗り込んでいくのだというくらいの
  覚悟はあっていいと思います。(p.110)

これが、M-1を語る際にベースとなる事実。
本著の副題「関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」の大前提。
そして、次のような現実もあります。

  どういう勘定の仕方をしているかは不明ですが、
  現在、吉本の芸人は約6000人いると言われています。
  東京のタレント事務所が抱えている芸人の数は、多くても数十人程度です。
  在京事務所が束になっても、
  メジャーリーグと日本プロ野球ぐらいの差はあると思います。(p.109)

さらに、次のような事情も。

  しゃべくり漫才のルーツは関西です。
  必然、漫才という演芸そのものが関西弁に都合がいいようにできています。
  言ってしまえば、漫才の母国語は関西弁なのです。(中略)
  東京の寄席では、落語が中心で、漫才は「色物」として扱われます。
  トリは当然、落語です。
  ところが、関西ではほとんどの場合、これが逆になります。
  落語が「色物」となり、漫才師がトリを務める。(中略)
  ひとまず、こう言い切っていいと思います。
  漫才とは、上方漫才のことであり、
  上方漫才とはしゃべくり漫才のことなのだと。
  漫才会の勢力図は今も昔も、完全な西高東低なんです。(p.37)

このような状況を考えると、
関東の芸人さんは、M-1で大健闘していると言えるのかもしれません。
さらにさらに、次のようなことも関係してきます。

  漫才にクラシック三冠のように、2000メートルの皐月賞、
  2400メートルの日本ダービー、3000メートルの菊花賞と、
  時間ごとの大会があったとしたら、三冠王候補は断トツで中川家でしょうね。
  ナイツは菊花賞は強いけど皐月賞は向いていないし、
  サンドウィッチマンは皐月賞は一番人気でしょうが、
  ダービー、菊花賞はきついと思います。(p.115)

「M-1は100メートル走」と同様、とても分かりやすい例えです。
それぞれのコンビに、演じる時間一つとっても、得手不得手があるということでしょう。
そして、本著の中で、私が最も心に残ったのが次の一文。
まさに、金言です。

  2019年、和牛がM-1に参戦するかどうかはわかりませんが、
  僕は、スタイルを変える必要はないと思います。
  ここは強く言いたいところなのですが、
  M-1で勝つことがすべてではありません。
  M-1は漫才師なら誰もが憧れるタイトルです。
  一時期を捧げるのに、十分すぎるほどの価値がある。
  でも、いちばんやってはいけないことは、M-1を意識し過ぎるあまり、
  自分の持ち味を失ってしまうことです。
  芸人生活は何十年と続きます。
  コンテストはモチベーションの一つにはなりますが、
  そのためにやっているわけではありません。(p.117)





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Last updated  2020.01.05 13:20:48
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