音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011年01月29日
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 エディー・マネー(Eddie Money)は1949年マンハッタンで生まれで、ブルックリンで育った生粋のニューヨーカー。70年代後半に登場し、80年代にかけて活躍したロック・ミュージシャンである。筆者はある時期以降のこの人は聴いていないので、最近のことはよく知らないのだが、60歳を超えた現在も活動を続けているとのことである。2007年に8年ぶりに発表したアルバムが最新の作品のようだ。デビュー当時はちょっとした話題として取り上げられたのだが、エディー・マネーは少し変わった経歴を持っている。祖父・父親・兄弟と同様、最初は警察官になったが、ロッカーへの夢を捨て切れずに警官を辞してカリフォルニアへ移って活動を開始したとのことだ。

 そうして1977年にデビュー・アルバムを発表し、10数枚のアルバムを発表しながらコンスタントな活動を続けてきた。そんなエディーにとってシングルとしての最大のヒットがこの「テイク・ミー・ホーム・トゥナイト/ビー・マイ・ベイビー(Take Me Home Tonight/Be My Baby)」で、1986年のアルバム『キャント・ホールド・バック』に収録されている。

 この曲の変わっているところは、1曲であるにもかかわらず、2曲がタイトルとしてクレジットされている点である。本来、曲としては、「テイク・ミー・ホーム・トゥナイト」なのだけれど、この曲の中に「ビー・マイ・ベイビー」(吉川晃司&布袋寅泰のユニットの曲ではありません!あくまで念のため…)という、ロネッツの60年代のヒット曲が混ぜ込まれている。しかもその「ビー・マイ・ベイビー」の部分を実際に歌っているのがロネッツのリード・シンガーだったロニー・スペクター(ヴェロニカ・ベネット)本人というオマケつきである。

 何よりもこの曲はメロディよし、ヴォーカルよしの、アメリカン・ロック・ヴォーカルの秀作である。エディーのヴォーカルが文句なしに最高にカッコいい。アルペジオに始まり、シンプルなギター・リフにのってシンプルで覚えやすいサビ部分の熱唱。こういうわかりやすい曲でありながら、上記のとおり「ビー・マイ・ベイビー」を組み込むという仕掛け、さらにはサックスの導入などさりげない工夫も凝らされている。そのあたりのバランス加減も、この曲の成功の秘訣だったのかもしれない。

 余談ながら、エディーはヴォーカリストであるのみならず、ギター、ハーモニカ、キーボードのほか、さらにはサックスも演奏する。ある人物の言では、“エディー・マネーはすべてを持っている…歌い、作り、演じられるだけじゃなく、生まれながらのパフォーマーだ”とのこと。なるほど。ヴォーカルに加えて他の才能が秀でているからこそ、ヴォーカルを活かす見事な曲ができたというわけなんだろうと想像し、妙に納得できるエディー評である。



[収録アルバム]

Eddie Money / Can’t Hold Back (1986年)
その他、各種ベスト盤(例えば、Greatest Hits: The Sound of Money (1989年))にも収録。





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Last updated  2011年03月01日 05時42分56秒
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