音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2013年04月01日
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 ボストン(Boston)は1976年にデビューした米国のバンドだが、実質的にはリーダーのトム・ショルツ(Tom Scholz)のソロ・プロジェクト的性質を持つ。アメリカン・プログレ・ハードみたいなジャンル分けでよく分類されるが、プログレッシヴ・ロックのいいところとハード・ロックのいいところがうまく融合した独自の世界を展開していて、類似のバンドを見つけるのは難しく、実に独自なサウンドを特徴とする。

 MIT(マサチューセッツ工科大学)在籍中から、卒業して就職(ポラロイド社のエンジニア)後も、こつこつと作り続けた機器と音が評価され、メジャー・レーベルからのデビューとなった。とはいえ、デビューに際しては、トム・ショルツとEPIC(CBS)の間には“認識の差”があったという。そもそもがショルツ個人による細かな作業の積み重ねによって完成されたものがボストンの音楽であり、ブラッド・デルプ(デビューから3rdまでヴォーカルを担当、2007年没)以外はほとんどがシュルツによる演奏の多重録音であった。“No Synthesizers Used(シンセサイザー不使用)”、“No Computers Used(コンピューター不使用)”という、ボストン作品のジャケに記された決まり文句は、ある時点までボストンのサウンドのトレードマークみたいになっていたが、結局のところは、個人による膨大な作業の裏返しでもある。

 デビュー当時の話に戻ろう。契約当時、レーベル側の認識としては、コンサート・ツアーは見込むは、5年で10枚のアルバム発表を目論むはで、職人シュルツがイメージしていたのと(また、実際にできることと)大きくかけ離れていた。それでも、デビュー作後のツアーの合間を縫いながら、1stから“たった2年”で頑張って完成させたのが、1978年の本作『ドント・ルック・バック(Don’t Look Back)』(当初の邦題は『新惑星着陸』)だった。

 本盤は、内容としては、第1作の 『ボストン(幻想飛行)』 で展開された世界の延長線上にある。どっちか1枚選べと言われると甲乙つつけがたく頭を抱えてしまいそうなのだけれど、セールス的には全米3位になった『幻想飛行』に対し、本作は全米1位を記録した。とくに、表題曲である1.「ドント・ルック・バック」の壮大さ、完成度は、初期ボストンの中でもずば抜けていて、“聴かずに死ねない”曲の1つだと思う。

 ちなみに、しばらく前にも“産業ロック”の話( フォリナー『4』 を参照)をしたので、ついでながらここでも触れておこうかと思う。ボストンもまた“産業ロック”という呼び方の中に含まれることがある。主にギターのハードな演奏に基づきながら、キャッチーでポップなメロディラインなどがボストンの楽曲にも含まれるからということなのだろうが、“産業ロック”に“大衆迎合的”というイメージが含まれるのだとするならば、ボストンの音楽はだいぶ違う方向を向いていたように感じる。曲そのものには確かに美しいメロディライン、コーラス、あるいは上述のようなギタープレイが散りばめられているのだけれど、そもそもアルバムの作り方があまりにマニアックで、産業化もしくは商業化とは全く反対方向を向いていたと言える。実際、ボストンは本作の後、第3作 『サード・ステージ』 (1986年)まで8年間のインターバルに入ることとなった。さらに、その次の第4作『ウォーク・オン』(1994年)まで、さらに8年間という、これまたロック界ではなかなか類例のない、アルバム(ベスト盤は除く)の制作ペースを確立してしまうのであった。




[収録曲]

1. Don't Look Back
2. The Journey
3. It's Easy
4. A Man I'll Never Be
5. Feelin' Satisfied
6. Party
7. Used To Bad News
8. Don't Be Afraid

1978年リリース。





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Last updated  2013年04月01日 06時08分53秒
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