音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2013年12月28日
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 1970年代のエルトン・ジョン(Elton John)は、まさしく名作の宝庫と言っていいように思う。1980年代以降、現在までの彼の作品には、“いかにもエルトン”という感じのものが多くなる。それは良くも悪くも“芸”として確立され、パターン化された部分が見え隠れするということでもある。それに引きかえ、70年代の彼の諸作は野心的で、楽曲単位でもアルバム作品としても、いろんな試みをしながらなおかつ完成度が極度に高いものが多い。

本盤『黄昏のレンガ路(Goodbye Yellow Brick Road)』は、そうした70年代エルトン盤の代表格ともいえる作品で、2枚組(CDでは1枚に収録)の力作。前作に当たる 『ピアニストを撃つな』 (1973年)の成功に続いて、同じ年にリリースされ、前作同様に全英・全米ともに1位を獲得した。

 LPでは2枚組、総収録時間にして76分は、アナログ時代の当時にしてはかなりの大作だったが、エルトンは2週間余りでこのアルバムを作ってしまったらしい。当初、73年初頭にジャマイカでの録音を試みたが設備面が不十分で、結局は5月に入って、フランスの古城を改造したスタジオであらためて作成に取り掛かった(このスタジオは前作『ピアニストを撃つな』、前々作 『ホンキー・シャトー』 でも使用された場所だった)。この時のエルトンの創作意欲は溢れんばかりだったようで、LP2枚のアルバムには収録できずシングルB面に回された曲もあった。

 過去記事で紹介したB・スプリングスティーンの 『ザ・リバー』 (同アウトテイク集の記事は こちら )、ガンズ・アンド・ローゼズの 『ユーズ・ユア・イリュージョンI & II』 のように、優れたアーティストの創作意欲が爆発した例はいくつかあるが、エルトンのこのアルバム制作時もそうした“才能の爆発”の一つに数えられる。

 エルトンには“バラード・シンガー”のイメージを持っている人も多いかもしれない。けれども、本作を聴けば、そのイメージは一面的に過ぎないことがよくわかる。繊細なバラードや荘厳なスロウ曲から、ノリのいいロック、ポップ、さらにはプログレっぽい実験的要素などまで散りばめられており、彼の総合的ミュージック・メイカーとしての才能が実感できる。長くなってきたので、続きは 後編 であらためて収録曲の内容などを見ていくことにしたい。

*収録曲の情報等は 「後編」 をご覧ください。






【RCP】【Joshinはネット通販部門1位(アフターサービスランキング)日経ビジネス誌2013年版】黄昏のレンガ路/エルトン・ジョン[SHM-CD]【返品種別A】







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Last updated  2013年12月29日 07時18分36秒
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