本盤『キング・オブ・ザ・テナーズ(King of the Tenors)』は1953年のリーダー作で、ソロ作としては比較的早い時期のもののようである。ウェブスター自身は1930年代後半からレコーディングをしていたが、リーダー名義としては50年代後半以降に盤が集中している。さて、この人のサックスの特徴はと言えば、何と言ってもしゃくりあげるような甘さとゴリッとした無骨さの両面性にある。後の時代になれば、より“甘さ”の比重が高くなるが、本盤辺りは、両者のバランスも結構とれているという感想を持っている。
1. Tenderly 2. Jive At Six 3. Don't Get Around Much Any More 4. That's All 5. Bounce Blues 6. Pennies From Heaven 7. Cotton Tail 8. Danny Boy
[パーソネル、録音] Ben Webster (ts) Oscar Peterson (p) Ray Brown (b) Barney Kessel (g; 5., 7., 8.) J. C. Heard (ds; 5., 7., 8.) Harry "Sweets" Edison (tp; 1.-4., 6.) Benny Carter (as; 1.-4., 6.) Herb Ellis (g; 1.-4., 6.) Alvin Stoller (ds; 1.-4., 6.) 1953年録音。