2017年07月17日
テーマ： 洋楽(3407)
カテゴリ： 洋ロック・ポップス
メンバーが変わっても勢いは止まらぬ大ヒット作
前作にあたる 『1984』 は空前のヒット作となったものの、ヴァン・ヘイレン（Van Halen）は順風満帆というわけではなかった。むしろ、ヴォーカルのデイヴ（デヴィッド・リー・ロス）の脱退というのは、スターダムにのし上がったバンドがそのままの人気を継続できるかどうかを迫られるほどの大きな変化だったのではないかと想像する。
それを乗り越えて制作され、かつヒットを飛ばすことになったのが、1986年のアルバム『5150』だった。代わりに迎えられたヴォーカリストは、既にソロでのキャリアがあったサミー・ヘイガー（Sammy Hagar， 参考過去記事 ）であった。アルバム表題は、前作の年号と同様に4桁の数字だが、リリース年を表していた『1984』とは異なり、見慣れない数字（5150）である。この数字は、精神障害者の措置入院手続きを定めたカリフォルニア州法から来るポリス・コード（警察での隠語）に由来するとのこと。これを元に、エディが自宅に作ったスタジオ名や、後のシグニチャー・アンプも“5150”と名付けられた。
このアルバムはヴァン・ヘイレンとしては初の全米1位を記録した。先行シングルとしてリリースされた2.「ホワイ・キャント・ディス・ビー・ラヴ」も全米3位のヒットとなった。他にも4.「ドリームス」、7.「ラヴ・ウォークス・イン」、6.「ベスト・オブ・ボース・ワールズ」、5.「サマー・ナイツ」がシングルカットされ、1.「グッド・イナフ」は映画（1987年公開の『スペースボール』）でも使用された
全体のトーンとしては、前作に見られた明るさが後退し、より重厚な音に近づいたとの印象を受ける。あくまで個人的な想像だが、どこかはちゃめちゃな感じのあったデイヴに対し、よりソリッドなロックの方を向いていたサミー・ヘイガーの存在によるのかもしれない。もちろんプロデューサーの影響（フォリナーのミック・ジョーンズ）もあったのだろう。例えば、前作の代表曲「ジャンプ」なんかと比べると、2.「ホワイ・キャント・ディス・ビー・ラヴ」は同様に若さ感覚に溢れていてキャッチーな部分もあるのだけれど、どこか貫禄が出てきているように思う。パワーバラード調の7. 「ラヴ・ウォークス・イン」 もツボを押さえていてどこか余裕を感じさせる。
ともあれ、ヴォーカリストの交代というバンドとしては大きな転機を迎えつつも、“前作の続き”であるかのようにさらりとヒットさせてしまったあたりが何とも凄いことだと今さらながら思う。そして、サミー・ヘイガーをフロントに据えてのヴァン・ヘイレンの進撃はこの後まだしばらく続くことになるのであった。
［収録曲］
1. Good Enough
2. Why Can't This Be Love
3. Get Up
4. Dreams
5. Summer Nights
6. Best of Both Worlds
7. Love Walks In
8. "5150"
9. Inside
1986年リリース。
Van Halen バンヘイレン / 5150 輸入盤 【CD】
下記ランキングに参加しています。
お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします！
↓ ↓
前作にあたる 『1984』 は空前のヒット作となったものの、ヴァン・ヘイレン（Van Halen）は順風満帆というわけではなかった。むしろ、ヴォーカルのデイヴ（デヴィッド・リー・ロス）の脱退というのは、スターダムにのし上がったバンドがそのままの人気を継続できるかどうかを迫られるほどの大きな変化だったのではないかと想像する。
それを乗り越えて制作され、かつヒットを飛ばすことになったのが、1986年のアルバム『5150』だった。代わりに迎えられたヴォーカリストは、既にソロでのキャリアがあったサミー・ヘイガー（Sammy Hagar， 参考過去記事 ）であった。アルバム表題は、前作の年号と同様に4桁の数字だが、リリース年を表していた『1984』とは異なり、見慣れない数字（5150）である。この数字は、精神障害者の措置入院手続きを定めたカリフォルニア州法から来るポリス・コード（警察での隠語）に由来するとのこと。これを元に、エディが自宅に作ったスタジオ名や、後のシグニチャー・アンプも“5150”と名付けられた。
このアルバムはヴァン・ヘイレンとしては初の全米1位を記録した。先行シングルとしてリリースされた2.「ホワイ・キャント・ディス・ビー・ラヴ」も全米3位のヒットとなった。他にも4.「ドリームス」、7.「ラヴ・ウォークス・イン」、6.「ベスト・オブ・ボース・ワールズ」、5.「サマー・ナイツ」がシングルカットされ、1.「グッド・イナフ」は映画（1987年公開の『スペースボール』）でも使用された
全体のトーンとしては、前作に見られた明るさが後退し、より重厚な音に近づいたとの印象を受ける。あくまで個人的な想像だが、どこかはちゃめちゃな感じのあったデイヴに対し、よりソリッドなロックの方を向いていたサミー・ヘイガーの存在によるのかもしれない。もちろんプロデューサーの影響（フォリナーのミック・ジョーンズ）もあったのだろう。例えば、前作の代表曲「ジャンプ」なんかと比べると、2.「ホワイ・キャント・ディス・ビー・ラヴ」は同様に若さ感覚に溢れていてキャッチーな部分もあるのだけれど、どこか貫禄が出てきているように思う。パワーバラード調の7. 「ラヴ・ウォークス・イン」 もツボを押さえていてどこか余裕を感じさせる。
ともあれ、ヴォーカリストの交代というバンドとしては大きな転機を迎えつつも、“前作の続き”であるかのようにさらりとヒットさせてしまったあたりが何とも凄いことだと今さらながら思う。そして、サミー・ヘイガーをフロントに据えてのヴァン・ヘイレンの進撃はこの後まだしばらく続くことになるのであった。
［収録曲］
1. Good Enough
2. Why Can't This Be Love
3. Get Up
4. Dreams
5. Summer Nights
6. Best of Both Worlds
7. Love Walks In
8. "5150"
9. Inside
1986年リリース。
Van Halen バンヘイレン / 5150 輸入盤 【CD】
下記ランキングに参加しています。
お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします！
↓ ↓
お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
[洋ロック・ポップス] カテゴリの最新記事
-
ベッカー＆フェイゲン 『ファウンダーズ… 2024年11月28日
-
シカゴ 「愛の終りに（Hope for Love）」 2024年11月25日
-
シカゴ 「ビガー・ザン・エルヴィス（Big… 2024年11月22日
アルバムの曲にはドップリハマってたんですが・・・
地味JAM尊 さん
PVではサミーが雑に歌う（アレンジって言い方もできますが）のがちょっとガッカリでしたが、明らかにデイヴ時代と比べて「曲のクオリティ」が上がったと喜んでおりました。おかげさんで当時バイト代振込口座の暗証番号まで「5150」にしちゃってました…頭悪すぎですよね。
デイヴ・ヘイレンとサミー・ヘイレンのどっちが好き？って議論を高校時代にやたらとしてましたが、個人的には「別バンドだからどちらも好き」というある意味卑劣な返答をしておりました（だからデイヴのソロも聞けたんだ！という理論も乗っけてましたが）。
サミーの前にパティ・スマイスに決まってたら…ってのも興味ありました！デモ音源でも無いのかな？ (2017年07月18日 19時46分02秒)
デイヴ・ヘイレンとサミー・ヘイレンのどっちが好き？って議論を高校時代にやたらとしてましたが、個人的には「別バンドだからどちらも好き」というある意味卑劣な返答をしておりました（だからデイヴのソロも聞けたんだ！という理論も乗っけてましたが）。
サミーの前にパティ・スマイスに決まってたら…ってのも興味ありました！デモ音源でも無いのかな？ (2017年07月18日 19時46分02秒)
Re:アルバムの曲にはドップリハマってたんですが・・・(07/17)
地味JAM尊さんへ
コメントありがとうございます。
確かに、“別バンド”なのですよね。それでもってトップバンドの位置を継続したところが素晴らしかったというか。こんどはデイブのソロも取り上げなければ（笑）。 (2017年07月19日 05時58分02秒)
コメントありがとうございます。
確かに、“別バンド”なのですよね。それでもってトップバンドの位置を継続したところが素晴らしかったというか。こんどはデイブのソロも取り上げなければ（笑）。 (2017年07月19日 05時58分02秒)
【毎日開催】
15記事にいいね！で1ポイント
PR
Free Space
Calendar
Keyword Search
▼キーワード検索
© Rakuten Group, Inc.
