音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2017年12月28日
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テーマ: 洋楽(3407)
懐かしさと郷愁を誘う、円熟味溢れる好盤


 マリア・マルダー(Maria Muldaur)は、1943年ニューヨーク生まれのフォーク/ブルース・シンガー。1960年代末から70年代初めにかけて、夫のジェフ・マルダーとのデュオで活動するも、離婚を経て、1973年にソロ・デビューした(ちなみジェフの方は こちらの盤 に参加)。そのデビュー盤が『オールド・タイム・レイディ(Maria Muldaur)』で、原題は見ての通りのセルフ・タイトル盤である。

 アルバム自体、広く受け入れられ、発売翌年にビルボード3位を記録した。また、シングル曲としては、2.「真夜中のオアシス」が同じく全米チャートで6位になった。全編を通して、カントリーやブルースといった伝統の上に成り立っている、これぞ“アメリカン・ミュージック”といった楽曲が並ぶ。個人的な好みでいくつかの曲を見てみよう。1.「エニー・オールド・タイム」はカントリー色が強く、伸びやかなヴォーカルが印象的。上述のシングル曲2.「真夜中のオアシス」の軽やかで円熟のヴォーカルは貫禄すら感じさせる。6.「ドント・ユー・フィール・マイ・レッグ」や10.「ヴォードヴィル・マン」は、全然もろブルースということではないのだけれど、アメリカ音楽の伝統としてのブルースを実はうまく引き継いでいるのが印象に残る。あと、アルバム末尾にさりげなく収められている11.「マッド・マッド・ミー」は、隠れた名唱だと思う。

 クレジットに目を向けると、いろんな人物のサポートが目に付く。1.のライ・クーダー(アコギを担当)を筆頭に、2.のジム・ゴードン(デレク・アンド・ザ・ドミノスのドラマー)、2.のギター・ソロなどで参加のエイモス・ギャレットなんかがいる。さらには、ジャズ畑のミュージシャンの参加も含まれていて、代表格は7.に参加のレイ・ブラウン。他には、6.,9.,10.では、ドクター・ジョンがキーボードに加えてホーン・アレンジも行なったという。

 結果、仕上がった盤は、円熟のヴォーカルを示す1枚というだけでなく、古き良きアメリカ音楽の伝統を消化し、当時のポップ感覚を適度にもった、貫禄の1枚になったと思う。きっと21世紀に入った今のアメリカ人が聴いても、ちゃんと懐かしさや郷愁が感じられる、要は時代を超えた名盤に仕上がっているのだろうと思ってみたりする。


[収録曲]

1. Any Old Time
2. Midnight at the Oasis
3. My Tennessee Mountain Home
4. I Never Did Sing You a Love Song
5. The Work Song
6. Don't You Feel My Leg (Don't You Get Me High)
7. Walkin' One and Only
8. Long Hard Climb
9. Three Dollar Bill
10. Vaudeville Man
11. Mad Mad Me

1973年リリース。




 ​
Forever YOUNG::オールド・タイム・レイディ [ マリア・マルダー ]




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Last updated  2017年12月28日 06時45分56秒
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