注目の演奏としては、代表曲として名があげられることも多い1.「ストールン・モーメンツ」が冒頭に収められている。この演奏は『ブルースの真実(Blues And The Abstract Truth)』で披露されたものの再演だけれども、本盤の演奏ではテンポがやや軽快になり、音の面ではオーケストレーション的な比重を高めた演奏になっている。これ以外で個人的に注目したいのは、2.「セント・トーマス」と7.「ストレート・ノー・チェイサー」。前者はソニー・ロリンズ(参考過去記事)、後者はセロニアス・モンクの有名なナンバー。7.の方はモンク自身の盤でもアレンジの経験(過去記事)があるが、本盤ではさらに高速でかつあっという間(収録時間はたった39秒!)に終わるという、なかなか面白い収められ方をしている。
[収録曲]
1. Stolen Moments 2. St. Thomas 3. Three Seconds 4. Mission Accomplished 5. Midnight Blue 6. Yearnin' 7. Straight, No Chaser
[パーソネル、録音]
Oliver Nelson (as, arr, conductor) Bobby Bryant (tp, flh) Jerome Richardson (ss, piccolo, fl) Bobby Bryant Jr., Buddy Collette (ts, fl) Jack Nimitz (bs) Mike Wofford (elp, p) Chuck Domanico (elb) Shelly Manne (ds)