音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2018年12月11日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ
リラックス&ストレートな円熟テナー


 アル・コーン(Al Cohn)は1925年生まれの米国出身のジャズ・サックス奏者。1940年代にウディ・ハーマン楽団での活動に始まり、1950年代以降はそこで一緒だったズート・シムズとの双頭クインテット、さらにはソロ以外にも、ボブ・ブルックマイヤーとのコンボなどで活躍した。

 そんなアル・コーンは1988年、62歳の時に肝癌で亡くなっているが、その前年に吹き込まれたのが、本盤『リフタイド(Rifftide)』。1987年にヨーロッパを訪れ、その際にオランダでピアノトリオと録音したという作品である。ちなみにレーベルのタイムレス(Timeless)とは、1970年代にオランダで立ち上げられたレーベルで、米国人ジャズ・ミュージシャンの吹込みを多く行っているほか、本盤に参加のレイン・デ・グラーフは同レーベルを代表するピアノ奏者でもある。

 そのようなわけで、オランダのトリオをバックにワン・ホーンのテナーという演奏で、選曲も有名スタンダード曲を中心としたものになっている。録音時期を考えると、晩年作ということで必ずしもアル・コーンの全盛期作とは言えるわけではない。けれども、独特のスウィンギーさ、どこか硬質な感じのするテナーの音色といった特色は、まぎれもなくアル・コーンの演奏そのものである。個人的には演奏中に時折みられる、あの“引っ張った感じ”が好きだったりする。個人的な好みは、1.「スピーク・ロウ」、表題曲の6.「リフタイド」、8.「シークレット・ラヴ」といったところだろうか。年齢や吹き込み時期、さらにはその状況など様々な要素が絡み合っているのだろうけれど、アル・コーンの特徴を素直に残しつつ、どこか余裕をもってリラックスした演奏というのが心地いい。その意味では、この奏者のベストではないかもしれないが、聴き逃がすのはもったいないなかなかに心地よい盤でもあるように思う。


[収録曲]

1. Speak Low
2. Blue Monk
3. Hot House
4. The Thing
5. We’ll Be Together Again
6. Rifftide
7. Do Nothing Till You’re True
8. Secret Love


[パーソネル、録音]

Al Cohn (ts)
Rein de Graaff (p)
Koos Serierse (b)
Eric Ineke (ds)

1987年6月録音。




 ​
Al Cohn / Rifftide 【CD】





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Last updated  2018年12月11日 08時43分11秒
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