音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2019年09月08日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ
コペンハーゲン録音の秀逸盤


 デューク・ジョーダン(Duke Jordan, 本名アーヴィン・シドニー・ジョーダン)は、1922年ニューヨーク出身のジャズ・ピアニスト。1940年代からチャーリー・パーカーのクインテットなどで演奏し、1950年代以降はリーダーとしての録音も多く残したが、山あり谷ありの人生だったようで、1960年代にはタクシー運転手で食い扶持をつないでいたこともあるという。1978年にはデンマークに移住して活動の舞台をヨーロッパに移し、2006年に84歳でコペンハーゲンで亡くなっている。

 デンマークへの移住に先立って、同地で1973年に吹き込みが行われた。ジョーダンの“復帰”となる時期にこの録音を行ったのは、ちょうどその前年にコペンハーゲンで立ち上げられたスティープルチェイスだった。4回のセッションでの演奏は複数のアルバム作品に収められたが、その第1弾となったのが、本盤『フライト・トゥ・デンマーク(Flight to Denmark)』であった。トリオ演奏で、ベースはデンマーク出身のマッズ・ビンディング、ドラムスは、この吹込みの後まもなくデンマークへ移住することになるエド・シグペンである。

 収録曲は、自作のものを中心にしつつスタンダード・ナンバーが織り込まれている。冒頭の1.「危険な関係のブルース(ノー・プロブレム)」は、映画の曲として知られているが、そもそもデューク・ジョーダンの作。同じく自作の表題曲10.「フライト・トゥ・デンマーク」もいい。全編を通じてデューク・ジョーダンのピアノの品のよさが伝わってくる。奇をてらった演奏や、インスピレーションで突っ走るような演奏はしない人だが、退屈ということはない。私的にいちばんの聴きどころなのは、7.「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」。あっさりしっとりした感じでありながら、テーマの展開に意外性があり、なかなか気に入っている。また、2.「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ」の途中でいきなり「ジングル・ベル」が聞こえてくるのも、そうした飽きさせない要素の一つなのかもしれない(録音が11月末~12月初めなので、クリスマスという着想もあったのだろう)。あと、ついでながらCD追加曲として、クリフォード・ブラウンで有名な12.「ジョルドゥ」も収録されているが、この曲も実はデューク・ジョーダンの作曲による。ともあれ、1970年代のピアノ・トリオの名盤にして、デューク・ジョーダンの作品の中でも代表格と言うに相応しい盤だと思う。


[収録曲]

1. No Problem
2. Here's That Rainy Day
3. Everything Happens To Me
4. Glad I Met Pat -Take 3- *
5. Glad I Met Pat -Take 4-
6. How Deep Is the Ocean?
7. Green Dolphin Street
8. If I Did - Would You? -Take 1-
9. If I Did - Would You? -Take 2- *
10. Flight to Denmark
11. No Problem *
12. Jordu *
*印はCD追加曲。


[パーソネル、録音]

Duke Jordan (p), Mads Vinding (b), Ed Thigpen (ds)
1973年11月25日、12月2日録音。




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フライト・トゥ・デンマーク [ デューク・ジョーダン・トリオ ]




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Last updated  2019年09月08日 17時21分31秒
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