音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2021年03月02日
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テーマ: 洋楽(3407)
S・ルカサーをヴォーカルにしたロック回帰盤


 思えば、TOTOというバンドは、ヴォーカリストが一定しなかった。1976年にバンドが形成されてから、1984年まではボビー・キンボールがヴォーカリストだった。その後は、ファーギー・フレデリクセン(デニス・フレデリクセン)が短期間メイン・ヴォーカルを務めた後、ジョセフ・ウィリアムズがフロントを務めたものの、 『第七の剣』 の後に脱退。南アフリカ出身のジャン=ミシェル・バイロンがその後釜となるも、短期間しか続かず…といった具合であった。バンドの顔というよりは“声”としてのヴォーカリストが安定しないにもかかわらず、トップを張り続けるというのは、決して容易ではなかったことだろうと思う。

 そんな中、1992年に発表された本盤『キングダム・オブ・デザイア~欲望の王国~(Kingdom of Desire)』では、従前からのメンバーだったスティーヴ・ルカサーがヴォーカルを務めた(ちなみに、その後は1990年代末からボビー・キンボールが復帰、さらに2010年代のラインアップでは、ジョセフ・ウィリアムズが再合流している)。1980年代を通じてポップ化あるいは産業ロック化の波に乗ったTOTOであったが、本盤では、シンセがなりを潜め、全体としてはロックへの回帰と言えるようなサウンドに仕上がっている。

 筆者のおすすめをいくつか挙げておきたい。まずは冒頭の1.「ジプシー・トレイン」。音の厚み、勢いともに本盤中で必聴のナンバーの一つだと思う。もう一つ聴きどころを挙げておくと、アルバム表題曲の11.「キングダム・オブ・デザイア」が個人的にはお気に入りだったりする。もちろん、以前からの“聴かせるTOTO”とでも言える曲もある。9.「オンリー・ユー」なんかは、正直なところを言えば、ボビー・キンボールカジョセフ・ウィリアムスで聴きたかったと思ってしまう。

 なお、本盤が発売されたのは1992年9月のことであったが、その前月の8月5日に、メンバーのジェフ・ポーカロが急死した。殺虫剤散布に伴っての心臓発作だったとされるが、このバンドの要とされていたドラマーの突然の死は当時非常にショッキングな出来事だった。


[収録曲]

1. Gypsy Train
2. Don't Chain My Heart
3. Never Enough
4. How Many Times
5. 2 Hearts
6. Wings of Time
7. She Knows the Devil
8. The Other Side
9. Only You
10. Kick Down the Walls
11. Kingdom of Desire
12. Jake to the Bone
13. Little Wing [日本盤ボーナス・トラック]

1992年(米では1993年)リリース。



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Last updated  2021年03月02日 21時27分25秒
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