音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2022年06月07日
XML
テーマ: 洋楽(3404)
個人的には後になってから味を噛みしめた盤


 1990年、トム・ウェイツ(Tom Waits)が音楽を担当したミュージカル(『ブラック・ライダー』)がハンブルクで初演を迎えた。このミュージカルは、その後、パリをはじめ、様々な場所で上演されたということなのだが、少し遅れて1993年に、同ミュージカルで用いられた楽曲を新たにスタジオで録音したアルバム、『ブラック・ライダー(The Black Rider)』がトム・ウェイツの作品としてリリースされた。

 正直、リリース当時、どういったわけか筆者はあまりこの盤には魅かれなかった。平たく言ってしまえば、聴き手側が作品に追い付いていなかったということなのだろう(1曲目の叫び声が強烈だったせいもあるのだろうけれど)。今となっては何とももったいない話ではあるのだが、いろんな音楽を聴いていると、こういうことは時として起こり得る。それなりの年齢になってからそんな風に思えるようになった。

 さて、時とともに味を噛みしめるようになった本盤収録の曲のいくつかを見ておきたい。表題曲の2.「ブラック・ライダー」のように、ミュージカルの場面をそのまま切り取ったかのような楽曲が複数見られる。他方、3.「ノーヴェンバー」のように、語り部としてのトム・ウェイツらしい曲も収録されている。その両方の特色を持ち合わせたかのような、9.「ザ・ブライアー・アンド・ローズ」のような曲もある。ミュージカルが元になっていることを強く感じさせるインスト曲の10.「ロシアン・ダンス」や11.「ゴスペル・トレイン」があるが、その直後に聴き手の心に染みわたる12.「アイル・シュート・ザ・ムーン」というのが実にいい。なお、このパターンの展開は、インスト曲の17.「オイリー・ナイト」から18.「ラッキー・デイ」の流れにも見られる。ラストが20.「カーニヴァル」というインストルメンタル・ナンバーで終わるのも、ミュージカル・ベースのアルバムならではなのかもしれないが、ミュージカルを知らなくとも、壮大なストーリー展開の世界に引きずり込まれるような気がする。

 こんなことを書きつつ、やっぱりその当時、30年近く前の筆者には、その良さがわからなかったのかな、とちょっと思ってしまったりする。ともあれ、年齢関係なく、成熟したリスナーが聴けば、きっとこの盤の良さがわかってもらえるのではないかと考えたりするのだけれど…。


[収録曲]

1. Lucky Day Overture
2. The Black Rider
3. November
4. Just the Right Bullets
5. Black Box Theme
6. 'T' Ain't No Sin
7. Flash Pan Hunter/Intro
8. That's the Way
9. The Briar and the Rose
10. Russian Dance
11. Gospel Train/Orchestra
12. I'll Shoot the Moon
13. Flash Pan Hunter
14. Crossroads
15. Gospel Train
16. Interlude
17. Oily Night
18. Lucky Day
19. The Last Rose of Summer
20. Carnival

1993年リリース。




 ​
輸入盤 TOM WAITS / BLACK RIDER [CD]

 ​
【輸入盤CD】TOM WAITS / BLACK RIDER

 ​
【中古】 ブラック・ライダー/トム・ウェイツ 【中古】afb




   下記のブログランキングに参加しています。
   応援くださる方は、バナーをクリックお願いします!
       ↓          ↓

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ ブログランキング・にほんブログ村へ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2022年06月07日 21時25分51秒
コメント(0) | コメントを書く
[洋ロック・ポップス] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: