音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2024年04月03日
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社会的テーマを中心にした意欲作


 メタリカ(Metallica)が1988年に発表した第4作が、本盤『メタル・ジャスティス(…And Justice for All)』である。交通事故で死去したクリフ・バートンに代わってジェイソン・ニューステッド(ベース)が加入した最初の作品である。メンバー変更があったとはいえ、メタリカというバンドは、ヘヴィ・メタル界のトップランナーとして既に貫禄を持ち始めているように思える作品でもある。

 よく議論のネタになるのが、本盤のベースがほとんど聞こえないという点。一説ではミックスの際にドラマーからベースの音量を下げるよう指示があったということだが、後にジェイムズ・ヘットフィールド(ヴォーカル)とラーズ・ウルリッヒ(ドラムス)は、ベースを過少に見せる意図はなかったと述べている。ともあれ、こうした音質上の特徴に加え、本盤では変拍子を多く用いたり、長尺の楽曲が多かったりと新たな試みがなされている。そして、楽曲の主題や詞には、社会的テーマが多いのもこの盤の収録曲の特徴となっている。

 詞のテーマについて少し見ておこう。1.「ブラッケンド」は、核戦争による壊滅的な世界を主題としたもの。4.「ワン」は、シングルカットされてグラミー賞最優秀メタル・パフォーマンス部門も受賞した曲で、映画『ジョニーは戦場へ行った』の主人公がモチーフになっている。また、表題曲の2.「メタル・ジャスティス」や5.「ザ・ショーテスト・ストロー」に見られるように、司法の問題、自由とは、正義とは何かといった社会的な問題も曲の主題になっている。

 それと同時に目につくのが、“大作指向”とでも言えそうな、上述の長尺という傾向である。メタリカは、もともと尺の短い曲が並ぶような感じではなく、6分を超えるような演奏も多かったが、本作では9分半を超える楽曲が2曲(表題曲の2.および8.「トゥ・リヴ・イズ・トゥ・ダイ」)あり、さらに7分半を超える曲(7.「ザ・フレイド・エンズ・オブ・サニティ」)も含まれている。もちろん、長いから退屈になるというようなことはなく、曲の展開や変拍子などの工夫が随所にあり、どの曲も、聴き手を飽きさせない作りになっていると感じる。


[収録曲]

1. Blackened
2. ...And Justice for All
3. Eye of the Beholder
4. One
5. The Shortest Straw
6. Harvester of Sorrow
7. The Frayed Ends of Sanity
8. To Live Is to Die
9. Dyers Eve

1988年リリース




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メタル・ジャスティス(リマスター) [ メタリカ ]

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メタル・ジャスティス(リマスター)/メタリカ[SHM-CD]通常盤【返品種別A】




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Last updated  2024年04月03日 07時39分50秒
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