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海外から帰国したのが去年の3月末。就職活動を始めたのが4月。就職活動は秋から始まっているので同じ学年の就活生に半年遅れてのスタート。しかも当初震災で東北新幹線が使えず移動にも一苦労だった。
それでも就職活動ができるだけ幸せだ。同級生には家を流された人、お母さんを亡くされた人もいる。
一番大変だったのは6月。遅れを取り戻そうと月の半分は仙台を離れて活動していた。最終面接まで行って落とされることも何度かあった。最終面接まで行くと「いけるかも」と期待するから、落とされた時の精神的なダメージは大きい。なんとなく元気のない時期もあった。
でも就活生にも事情がある。「第一希望ではありません」なんて答えたが最後、絶対に採ってはもらえない。しかも第一希望の企業に内定がもらえる学生はほんの一握り。学生の大半は何社も受けて、どこかに採ってもらいたいという切実な思いでいる。だから第一希望でなくても「第一希望です」と答えるしかない。
でも「第一希望です」と嘘をつくのがつらい息子は、何度か「第一希望グループの一つです」とあいまいに答えたようだ。そしてその答えに表情を変える採用担当者もいたそうだ。
平気で嘘をつける人なら良心の呵責を感じることはないのかもしれない。それを"世渡り上手"と言うのかもしれない。でも私は息子にそうなってほしくなかった。だから何とアドバイスしたらいいのか分からなかった。
今回入社した企業は不思議なことに「うちが第一希望ですか?」とは聞かなかったそうだ。そこにこの企業との"ご縁"を感じている。
社会に出れば、ある程度は世渡りの術を身につけなければならないだろう。でも保身ばかり考える世渡り上手にはなってほしくないなあ、と思う。