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2024年06月27日
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テーマ: ニュース(99431)
カテゴリ: ニュース
NHKテレビが毎朝放送している「連続テレビ小説」に対する世間の評判について、文芸評論家の斎藤美奈子氏は12日の東京新聞コラムに、次のように書いている;




 10日の放送で主人公・寅子の学友だった轟とよねが帰ってきた。同じく学友だった花岡の死に気を落とす轟に、よねは声をかける。「惚れてたんだろ? 花岡に」。「俺にもよくわからない」といいながら花岡への思いを切々と吐露する轟。

 この場面は私も見ていて「やるなNHK」と思ったのだが、ネット上のニュースによると「朝ドラにBL要素が必要なのかという疑問の声」がかなりあったらしい(BLとは男性同性愛、ボーイズラブの略語)。まーだこんなことをいってる奴(やつ)がいるのか、である。

 橋本冶が『桃尻娘』にゲイの男子高校生を登場させたのは1978年、藤野千夜が『少年と少女のポルカ』で女性になりたい少年と男性が好きな少年を描いたのは96年だった。LGBTなんて言葉が普及するずっと前から文学は性的マイノリティーを描いてきたし、近年ではその傾向が特に顕著になりつつある。

 「虎に翼」の脚本を担当する吉田恵里香さんはXに寄せた投稿で「それが特別なことと思われる世界が悲しく残念です」「私は、透明化されている人たちを描き続けたい」と述べている。

 そうなのよ。最初からBL設定のドラマ(「おっさんずラブ」とか)ならOKでも、朝ドラだとNG? なわけないでしょ。それが差別ってものなのよ。
(文芸評論家)


2024年6月12日 東京新聞朝刊 11版 19ページ 「本音のコラム-朝ドラと性的多様性」から引用

 「朝ドラにBL要素が必要なのかという疑問の声」というのは、今の日本人のメンタリティーではごく普通に存在する気分だと思います。こういう発言をする本人は、自分では「マイノリティを差別するのはいけないことだ」と分かっているつもりで、しかも常日頃は人前で「差別はやめましょう」などと言いながら、ふと気を抜くと「いや、何も朝のドラマからそういうテーマを取り上げなくても・・・」などと口走る、ありそうな光景です。しかし、現実の私たちの世界は、マジョリティにもマイノリティにも「朝」は平等にやってくるわけなので、朝の「ドラマ」にも普通に取り扱われて当たり前であって、「夜の番組ならまだしも、朝はやめてくれ」と言うのは紛れもない差別であることは、斎藤氏の言う通りです。





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最終更新日  2024年06月27日 01時00分09秒


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