ボロ邸生活日記

ボロ邸生活日記

2006.10.20
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裏新ジャンル「猫耳」に便乗する その1

 「桃太郎」は近所の居酒屋だ。

 普段は夜にならないと開店しないが、その日は夜明け頃からお祭りのような賑わいを見せていた。

 何でも、直接民主主義システムを悪用した独裁者の政権がクーデターで倒されたとかで、
その日は国中で同じような騒ぎだったらしい。

 新しく政権を取った「W.O.L」という政党はヒューマノイドに人権を付与する事を宣伝しており、
その日から晴れて俺も「人間」になったわけだが、今まで不便に感じた事は無いのでどうでもいい事だった。

 しかし、友人がお祝いと称して奢ってくれると言うのなら話は別で、
携帯電話で呼び出されて早朝だというのにすぐに駆けつけたと言うわけだ。

 その友人は影司と名乗る金髪で赤目の男で、どう見ても日本人じゃない怪しげな奴だ。

 仕事も何だか日に当たらないような事をやってるらしく、
今回もW.O.Lに肩入れしていたとかで上機嫌になっていた。

 特にこのクーデターの事を語るわけでもなく、いつものように冗談を言いあいながらしばらく飲んでいたが、
影司は唐突に今後についての話題を振ってきた。

 「で、お前は人権をもらったわけだが。ハンターになったりしないのか?」

 「ハンター?考えた事無いな」

 前の独裁者の時代、犯罪の凶悪化に伴って警察の力は低下して行った。

 政府が対策を決めかねている中、民間の出資者がそれら凶悪犯に賞金を掛け、
腕の立つ者達が賞金を得る為に警察の代理をやり始めたのがハンターの原型らしい。

 「働きもしないってのはどうかと思うからな。お前もヒューマノイドなんだから、素質はあるだろ」

 「素質ねえ」

 猫耳を含むヒューマノイドは、労働等にも使われる為に見た目だけではなく能力も底上げされている。

 まあ本来の用途はそっちで、耳や尾の方がヒューマノイドを見分けるためのおまけのような物らしいんだが。

 「剣でも銃でも、教えて欲しければ教官を紹介をしてやる。あと、魔術とか」

 「何故そこで魔術か」

 いくら俺がファンタジーな見た目をしているからと言って、
存在が証明されてないものの習得に努力をする程ファンタジーな脳は持っていない。

 こう冗談っぽく言われるとどこまで本気なのかわからないが、とりあえず。

 「必要ない。そういう危険な仕事は嫌いだからな」

 「そうか?まあ、気が変わったらいつでも言ってくれ」

 この話題はそれで終わり。

 それからまたしばらく飲んでから帰ったわけだが、
やけに心にひっかかったので恵に質問するきっかけになったわけだ。

 結論として、俺はこのままでいいと思った。

 普通に生活しているだけでも、恵と俺が満足ならいいじゃないか。

 ハンターを薦めてくれた影司には悪いが、まあ就職するとしてもありきたりの仕事にしようと思う。

 ……そう思っていた。


その3に続く





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Last updated  2006.10.20 21:51:10
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