水野文博の『日々の思考』

水野文博の『日々の思考』

2004/11/09
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 11月2日から14日まで出張で欧州に来ています。まずは最初に訪ねたドイツで考えたことをアップします。取り上げたテーマは、「文明の成熟」と「商業活動と交通」。

■日程

 今回の出張日程は下記の通り。30人位のローカルシニアマネジャーへのプレゼン、現法社長や広告代理店との打合せなどの予定がパンパンに入っている。でも休日はパリで過ごせそう!

 (11月)
 2日~4日:ハイデルベルク
 4日夜:フランクフルト
 5日~7日:パリ
 8日~9日:ロンドン
 10日:バルセロナ
 11日~12日:カンヌ
 13日:ミラノ→東京

■ハイデルベルク

 ドイツ最古の大学があるハイデルベルク。といっても旧市街はとても小さく30分もあれば端から端まで歩いて行ける。今回は観光の時間がほとんどなかったが、散歩しながら街行く人の落ち着いた雰囲気に感銘を受けた。大人の文明、成熟、みたいなものを直感した。

■成熟について

 日本と比べてなぜ成熟を感じたのか、成熟の条件を考えた。

 ・立場ではなく本音で生きる
 ・歴史意識を持つ

 日本では立場が非常に重視される。政治家の派閥の代弁(個人の顔が見えない)、会社での慣例に従った非倫理的行為(一円入札など)。。。これを続けると自分を見失うことが多くなってしまう。更に、定年や失脚などで立場を失ったときは悲惨で、本人のアイデンティティの危機に陥ることがある。逆に、戦後の転向はスムーズに行った。立場でイデオロギーを主張していただけなので民主主義への同調に抵抗がなかった。

 ではドイツではどうか。日本人から見ると「大人気ない」人が多い。老夫婦が腕を組み、アイスクリームを食べながら散歩していたりする。彼らはやりたいことをやっているだけである。自分の感情をより直視している。少し離れた所からみると、彼らの方がよっぽど大人に見えるから不思議だ。

 成熟がライフサイクルの後期を指すとすると、歴史意識も大切なハズだ。自分の置かれた文脈を長期間のフレームで意識すれば、自分の人生に違った意味合いを見出すことできる。また、歴史に照らしたフィードバックが人生の方向性を確かにする。本音で生き抜いてきた歴史の試行錯誤から学べるものは大きい。

■欧州内の商業活動と交通

 フランクフルトでは空港に面した場所に巨大なカンファレンス施設があると弊社欧州PRマネジャーが言っていた。フランクフルトはロンドン、パリと並ぶ欧州のハブ空港であり、ここで乗り換えればほぼ欧州全域の空港に行ける。そのため、カンファレンスなどが開催されやすくなっているようだ。ただし、カンファレンス後はそのまま、あるいは空港に隣接したホテルに泊まって帰る。街へ出て観光とはいかないらしい。

 弊社ロンドンオフィスでは毎月、欧州現地法人の社長会を行っている。会議は大抵、朝の11時から始まる。なぜか。朝の直行便でパリやミラノからロンドンに移動するからだ。日程によっては日帰りもできる。

 このように、欧州では商業活動と交通がよく考えられて運営されている。では日本はどうか。幕張などという交通が不便な場所に平気でコンベンション施設を作っている。また、最近は知らないが、かつて大前研一が著書「ユイマールビジョン」(沖縄への提言)の中で、朝の飛行機が少ないなど、飛行機ダイヤがビジネスパーソンの動きを全く考慮していないと指摘していた。随分欧州とは事情が違うようである。

 この違いはどこから来るのか。もしかしたら家族と過ごす時間とビジネスの両立に真剣に取り組んだ結果なのかな?





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Last updated  2004/11/12 08:47:06 AM
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