かでぃの「ロバ耳の穴」

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May 9, 2006

立ち読み

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ヤフーコミックスで立ち読み頁増量キャンペーンを張るのは
大概ドラマ化や近々映画化される作品らしいんだけど
最近クロサギばりに気になったのが、「フリージア」って暗黒もの。
読み進むにつれてプロットが明らかになってくると
背筋を悪寒がゾゾゾ～；（↓設定）

舞台は現代日本「普通」の日常、みたいなんだけど
その「普通」が、毎日殺人事件がニュースを賑わす、って事…。
で、「普通」の無職青年主人公が、スカウトされて面接に行ったのが
弁護士事務所の体裁なんだけど、ちょっと違う。
殺人事件の被害者が雇う、法定「敵討ち」執行代理人事務所。。

殺人事件多発の日本、「敵討ち法」が施行された世の中。
被害者が裁判所に「敵討ち」申請して、受理されれば
刑執行の通達が加害者側に渡り、加害者の人権も尊重されるとして
代理人と同等の武器が支給され、「警護人」を雇うことが出来る。
費用が無ければ弁護人よろしく、「国選」警護人を付ける事も出来る。
服役して法の裁きが終ろうが関係なし。被害者と家族の心の問題。
加害者も、死にたくなければ戦えばいいのだ。

なんか、未熟少年が読んでゆがみそう…。
いくら兵役が日本で施行されたからって、前科者に国が武器を支給するかぁ？
それにしても現代日本人が普通に武器持ち歩くって、意識的にフタしてた世界…。
本気で仇討ちできた江戸時代には、もっと凄まじい話が転がってるし。
ご先祖だか前世だかでは、あなたもわたしも身に覚えがあるだろう殺伐。
特殊なようでいていやに現実味のあるプロットに加えて
主人公含めて登場するキャラの、腐りっぷりが凄まじい！
（関係ないけど、下妻物語の冒頭でフカキョンがさらっと
「そうです、わたし、腐ってます」言うのが思い出され）
まあ、こんな状況じゃ正気で居る方が無理ってもん？

現在の延長線をこの作品に見て、余裕無くビビルのも問題だけど
これを娯楽として楽しめる時代も、どーかなぁ。
今度7巻が出るそうだけど、松本次郎を検索しても
あんまり作品が出ないのねぇ。下積みの長い新人さん？
昔の（大仰なSF以前の）大友克洋っぽい絵は嫌いじゃない。
で、来春には実写映画公開だってヨ。
作者のサイトも見たけど、スケッチは秀麗なのに
漫画の方はえらいえげつない描かれ方なので、反面教師を狙ってる？
作者の未熟少年時代の妄想の蓄積が開かれた、ってのも考えられるが
だとしたら少年たちの耐久性を、もっと信じて良いのかな。
こんな作品つきつけられて、未来を考えない人は居ないだろうねぇ。

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