Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2012年02月11日
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カテゴリ: 夢有無有
「怪異」椿の棒
 春も終の頃、四国から上京して都会の国立大学を出たものの、思う就職口が見付からず下宿暮らしが当たり前になった卒業浪人がいました。今日も今日とて昼過ぎに起きて、下宿のおばさんにお小言を頂戴しながら飯を食い、ふと、部屋に貼ってある子供の楽園開園の記事が眼に入り、日がなそこで過ごすことに決めました。
 晩春の楽園は、さすがに人も少なく、休憩堂らしき和風の建物で持参の文庫本を読んでいましたが、山かげの中、山水を流す底の深い溝らしき処で椿の棒を突き刺し々している髪の長いセーラー服の少女が眼に止まり、そっと後ろへ行って好奇心で声をかけました。少女は顔を向けましたが、眼も鼻もないツルリっとした顔で、口だけが笑って居ります。さすがの青年も悲鳴をあげて気絶いたしました。
 突然の夕立で青年は眼を覚ましたが、恐怖に震えて腰が立たず悶えていますと、傍らに「椿の棒」があったのでそれを支えに下宿迄帰ろうとしましたが、少女の持っていた椿の棒が気持ち悪く途中の空き地に捨てました。
 下宿に帰った安堵感で濡れた髪を拭いて鏡を見ますと、そこに目鼻立ちの可愛い髪の長いセーラー服の少女がニッと笑っております。再び見たとき自分の顔に眼と鼻が有りません。眼が無いのに見える不思議さより恐怖が先に立ち、捨てた「椿の棒」を見つけ、その後は、子供の楽園の溝を椿の棒を突き刺し々して次の犠牲者を待って居ります。

落ちツバキ1
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最終更新日  2012年03月14日 16時19分11秒
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