「時間」を紐解く(50)形而上哲学-時間観(一)ブロード1 チャーリー・ダンバー・ブロード(1887-1971)は、三位一体神学系カレッジ(ケンブリッジ)と、ほぼ彼の人生との関わりを持った英国の哲学者です。彼の初期に関係していたのは科学と数学でした。これらに成功していることにもかかわらず、彼は、決して一流の科学者でないとの思いに至って、哲学の方を向きます。その分野は非常に広範囲です。スペース、時間と原因の性質にとって、彼は哲学の鋭敏さを心身問題、認識の性質、記憶、自己反省と、意識不明のものに捧げます。更には広範囲に、可能性と誘導の原理、倫理、哲学の歴史と宗教の原理について書きました。過去の偉大な哲学者から離れて、彼に影響を与えた哲学者は、ケンブリッジ、ラッセルとムーアと時間の非実在を説いたJ. M. E.マクタガートとW. E.ジョンソンです。生涯結婚はせずに同性愛を貫いています。そのブロードが「マクタガード哲学の研究」という著書でマクタガートの形而上哲学の解釈と批判を語ります。そのブロードが「科学的思考」に記した時間についての見解は「存在と本性」にて取り上げられています。マクタガート自身は、過去・現在・未来の三世の「時間」を悉く非実在と断定しているのに対して、ブロードは、過去と現在の実在性は否定出来ないとして認め、未来だけは全く未だに来ない世界であり、全くの「無」だと主張します。それ故、過去と現在とは大きな隔たりというよりは断絶を主張しています。