「思考と直覚」神学的世界観の一(百六) 英国におけるジョン・ロックの思想は、同意し迎合信奉するものだけではなく批判される多くの哲学者を生み出したのは彼の並々ならぬ思想の賜物でしょう。其のロックの影響を受け止め観念論の立場から反論をくわえたのが、17世紀に農民戦争の挫折化による封建勢力の最強化と1618年から48年の30年間に,ドイツを中心に欧州各国が参戦した宗教戦争である「三十年戦争」によって国土は荒廃し、それ故に欧州の後進国と看做されるようになった頃に現れたのが、ルネ・デカルトやバールーフ・デ・スピノザなどとともに近世の大陸合理主義を代表する哲学者であると称される程才能に恵まれた、数学及び自然科学の大家でもあったゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(Gottfried Wilhelm Leibniz/ 1646年-1716年)です。本来的には近代合理主義者である筈の彼が、現存の秩序を最良の世界として美化する反動思想、中世的神学世界観へたどり着いたのは其の自国を取り巻く境涯と其の環境にあったように想われます。