「思考と直覚」マルクス主義の源泉2(百二十八) フランソワ・マリー・シャルル・フーリエ(Francois Marie Charles Fourier/1772年-1837年)、ブザンソンで裕福な商人の家に生まれながら、革命時に1793年のリヨン包囲の混乱に巻き込まれ、投獄されたあげくに相続財産の多くを失うことになる。このときの悲惨な体験が後の思想につながっていると言われ、彼は以来、政治革命に対し根強い不信感を抱き、その後は雇われ店員や行商人を続けながら、1808年には代表的な著作である「四運動の理論を執筆・刊行。この中でフーリエは、宇宙には物質的・有機的・動物的・社会的運動の4つの運動があるとし、彼は社会的運動において物質的世界におけるニュートンの万有引力の法則に匹敵する「情念引力の理論」を発見したと宣言します。此の四運動の理論「1:社会的運動。その理論の解明すべきものは、神がそれらに則って、住民をもつすべての天体における諸々の社会機構の配置と継承とを規制した諸法則である。2:動物的運動。その理論の解明すべきものは、神がそれらに則って、諸々の天体における過去または未来のあらゆる創造物に、情念と本能とを配分する諸法則である。3:有機的運動。その理論の解明すべきものは、神がそれらに則って、諸々の天体において創造された、または創造さるべきあらゆる物質に、特性、形、色、味、等々を配分する諸法則である。4:物質的運動。この理論はすでに近代幾何学によって解明されたところだが、その結果知られたものは、神がそれらに則って、諸々の天体に対し物質の重量を規制した諸法則である。」を掲げ、理性の企てるべき唯一の研究であると考え、更には「情念引力」或いは「愛の重力理論」と呼ばれることもある概念を述べます。人間の情念には12の基礎の情念があり、その相互関係に情念引力があるという。このコンセプトは四運動の理論、そしてフーリエ社会思想において極めて重要な「愛の新世界」など、初期から晩年の著作まで貫いており、後に空想的社会主義(者)と呼ばれることになります。「情念引力の諸法則」はあらゆる点で、ニュートンとライプニッツによって解明された物質引力の諸法則に合致するとして、云わば唯物主観の体裁をとり、物質界と精神界とに通ずる運動体系の統一というものが存すると主張していますが、此れは愛を現実的実体と捉えるもので、逆読みすれば「神の愛」が現存すると説いているようにも想えます。情(内精神)を現実化することは「霊魂」の存在を認めることになり観念論型と唯物論的を併せ持つ社会主義であるとも言えるでしょう。また、彼の提唱したもので興味深いのは「アソシアシオン」(協同体)の創造(フーリエの用語「ファランジュ」)でしょう。。その協同体は国家の支配を受けず、土地や生産手段は共有とした上で、1800人程度を単位として数百家族がひとつの協同体で共同生活をする。基本的に生活に必要なものは自給自足とする。また、労働活動を集約することで労働時間を短縮するといった提案で現代に其の実装が垣間見られます。