「思考と直覚」人間の霊魂を思考/アリストテレス-24(二百二十八) アリストテレスの「霊魂観」の思考を観相すれば、彼は人間の精神を形成せしめるのは魂(霊魂)であり、其の魂はモナ・リザ(Monna Lisa)を描くところのレオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)の如く、人間の肉体を形成を付与する形相だとします。それ故に、霊魂は人間の肉体をして、一つの有機体としての人間たらしめるための本質を付与するものなのだと説きます。ところが、其の霊魂も実相は世界を在らしめる理法から観れば下層となり、彼の規定する語意としての存在世界は形相を含まぬ第一質料を最下層とし、質料を含まぬ純粋形相を頂点とする、ピラミッド型の階層秩序をなしている絶対秩序、言い換えれば「世界理法」である質料を含まぬ純粋形相を頂点とした存在、後世におけるスピノザの「エチカ」にみられる「神」を示唆します。いわば、世界はピラミッド型の階層秩序をなし、その頂点に位置するのは所謂「個体神」ではなく「絶対意思」の存在を「神」と呼称します。此の思考方法は後世には、万物は可能態から現実態への生成のうちにあり、質料をもたない純粋形相として最高の現実性を備えたものは、「神」(不動の動者即ち絶対意思)と呼ばれる。イブン・スィーナーら中世のイスラム哲学者及び神学者のトマス・アクィナス等の中世のキリスト教神学者は、この「神」概念に影響を受け、キリスト・イスラムの神であるヤハウェ及びアッラーフと同一視することに根拠を与えます。